来週は8月に入るのですね。まだまだ先だと思っていた絵本原画展が近づいてきたので、まずはホームグラウンドの当ブログにてお知らせします。


9月1日に新刊絵本『はしをわたってしらないまちへ』(福音館書店月刊こどものとも5〜6才向け10月号)が発売になります。文を児童文学作家の高科正信さんが手がけ、絵を私が担当しました。この作品の詳細については、発売前後に特集を組んで詳しく語りたいと思っております。


発売のタイミングで、下記の予定で原画展をしていただくことになりました。

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<絵本原画展『はしをわたってしらないまちへ』>

場所:ギャラリーヴィー

住所:〒650-0022 神戸市中央区元町通3-2-15

   セントラルビル元町5F

期間:2017年9月5日(火)〜9月10日(日)

時間:12:00〜19:00(最終日は18:00まで)


〜期間中のイベント〜

9月9日(土)16:00より 高科正信×中川洋典のお話し会+サイン会

            参加無料

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神戸でギャラリーヴィーさんといえば、展示もさながら、絵本塾を精力的に行っておられるギャラリーとして有名です。著名な講師の方々が直接指導にあたられて、プロの絵本作家デビューを飾られた生徒さんも多いと聞きます。今回の本の文章担当の高科さんも、ギャラリーヴィーさんの絵本塾での講師の一人。その関係で、原画展をさせていただくことになったわけです。


そしてイベントですよ、問題は。私と高科さんとのお話会&サイン会って、誰か来てくれるんでしょうか(笑)。地味なおっさん二人がギャラリーにちょこんと座って、ボソボソつぶやくように喋っている絵が見えてきます。大丈夫なんだろうか。もしかしたら、私ら二人だけかもしれない…そんなことにならないよう、みなさん、是非いらして下さいね。どうぞよろしくお願いしますよ!

 
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先日、とある作家さんコンビによる絵本のダミー本を見せていただく機会がありました。ダミー本というのは絵本の体裁で読んだり見たりできるように整えられたラフ描きのこと。主に売り込みをする際に、この体裁で提示します。(もちろん完成度は人によって違いますが、絵本としての読み取りが可能なものであれば良いのです。)


そのダミー本は既に完成されたもので、ラフというよりは市販本と言った方が良い出来でした。美しく製本もされていましたし、ネーム(文章)も印字されていました。絵も本番用といってよい仕上がり。見る人によっては、店頭に並んでいてもおかしくないと思うかもしれません。


そして内容。巷で蔓延している甘ちゃん風味がほぼ皆無の作品で、塩っ辛い印象。読者にすり寄らない淡々とした物語の展開と、時に首筋をなめられるような奥深い表情や風景の画風。文章・絵ともに、少なくとも今流行とも売れ線とも思えない。しかし何かが残る。触れられたくところを軽く撫でられたような読後感。


特に絵がキテいました。カラーコピーで製本されているため、原画を拝見したわけではないのですが、おそらくあんなものではないでしょう。画力という言葉がありますが、まさに見るものを画面に引っ張り込んでしまう力がありました。テクニックと情念が無理なく同居しているところから来ていると思う。場数と多さと、懐の深さは相当なものです。


このダミー本がこの後どういう経緯を辿るのかはわかりませんが、子ども主体の読者向けに商業出版される可能性は、残念ながら少ないと思う。その理由は、文章作家も画家も読者に媚びないスタンスを貫き通しているからです。それが絵本を売る業界側の理屈からすれば、無愛想で、売れ筋外(売りにくい)の絵本と受け取られる可能性があると感じました。


わかりやすい絵本、読み聞かせしてウケやすい絵本、人気絵本の続編もの。本屋さんの絵本棚を席巻する売れ線の絵本は、そのセールスポイントで本を開く前から読者を引きつけているものばかり。強力なハードヒッター絵本であるが故に、読者の能動的な咀嚼・消化能力を退化させてしまうような、手取り足取りの事前準備を施してあるものも多いと私は思っています。


そんな気が利き過ぎるような品が多く揃った本棚へ、あのダミー本が割って入る余地があるだろうか。

私が不安に思っているのは、いったい何なんだろうか。

もう少し考えてみようと思って、もう5年が経ってしまいました。

あのダミー本が商業出版になったという話しは、いまだ耳に届いていません。


(*日記No.499 2012年6月11日掲載のリメイクです。)


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オーティス・レディングは曲としてもアルバムとしても名作の多い人ですが、私は本作『ペイン・イン・マイ・ハート』で、涙腺が決壊しそうになる想いを何度も体験しました。後に不世出のソウルシンガーとなる野暮ったい南部の若造。その発車駅がこの作品です。さっそくCDをプレーヤーに乗っけると、スピーカーから流れてくるのはアルバムタイトル曲「ペイン・イン・マイ・ハート」。モコモコした演奏の音をバックに、かすれ気味に堂々と唄うオーティス。なんと味わい深い。とても21~22歳の唄だとは…。それは一角の政治家か宗教家みたいなオーティスの姿を写し取ったジャケットを見てもらえればわかると思う。それと同時に、誠に不思議な話しですが、劇場を改装して作ったというスタックスのスタジオ情景が、この一曲ではっきり浮かんできました。私は何の情報も知らなかったはずなのに…またそれが、妙に正確だったものですから、後に鳥肌がたったわけです。


「ペイン・イン・マイ・ハート」を唄えたのが偶然ではなく、オーティスに当たり前みたいに備わっていた表現能力だとわかるのが、前半の「ザ・ドッグ」「スタンド・バイ・ミィ」「ユゥ・センド・ミィ」といった超有名曲のカバーです。オリジナルに全く埋もれることなく、唄だけで充分カバー・アレンジになっている。後に<オリジナル殺し>と言われたアリサ・フランクリンの出現で少し陰に隠れた感はありますが、どれもタイトでシンプルに咀嚼している。いなたい唄と演奏に、どうしてこんなに惹かれるんだろうか。(当時のノーザンソウルは、もっとおしゃれでモダン。このアルバムはそんな評価はおそらく受けなかったでしょうが。)しかし本当に凄いのはアルバム後半で、少なくとも6曲中3曲は後世に残る名曲です。


ジェニー・ジェンキンスという歌手の付き人をしていたオーティスが、彼の余ったレコーディング時間を使わせてほしいと申し出て、スタジオのミュージシャンらに同意をもらって初めて唄ったのが「ジィーズ・アームズ・オブ・マイン」。たぶん、スタックスのミュージシャン連中は、瞬時にして嗅ぎ取ったと思う。サム・クックやソロモン・バークとは全く違う唄のセンスと才能を。それぐらい素晴らしいオーティス節が、この1962年のデビュー自作曲には込められています。何度聴いても、サビのかすれた唄声に胸がグッと熱くなる!正真正銘の名唱、完成品だと思う。叶わぬと知りながらも、この曲を生で聴いてみたかった!


それ以上に素晴らしいのが「我が心の糧」です。私は「ドック・オブ・ザ・ベイ」でも「お前を離さない」でも「リスペクト」でもなく、この曲でオーティスに溺れました。とにかく唄い出しからどんどん聴き手を引きずり込む。バラードなのに、リズムものに負けないテンポの凄い吸引力。最後のあがくようなシャウトの痛みが、耳にこびりついて離れない。なぜこんな風に哀しく寂しく唄うのだろう。ホーンも含めたバックの演奏も文句なし。特にスティーブ・クロッパーのギターは、オーティスの唄との相性が抜群で、こんなコンビは何処を捜してもそうはいないと思う。


「セキュリティ」もコクがある。持ち味の一つなってゆくミディアム・バラードのプロトタイプの曲でしょう。(これが他の人ではなかなか唄えない!カバーが少ないのも頷けます。)いろんなヒストリーものを読むと、黒人ミュージシャンの進行形ポピュラー音楽の通称が、このアルバムを境に<R&B>から<ソウル>に呼び名が切り替わり始めたという説があります。もしそれが本当なら、『ペイン・イン・マイ・ハート』というアルバムのタイトルは、あまりに真実の的を突き過ぎています。なぜならオーティス・レディングとは、生涯心に籠った痛みを唄い続けて死んでいった男だからです。


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昨日衣料品チェーン店のユニクロへ行ったら、伊藤若冲仕様のステテコを売っていたので、即買いました。ユニクロはこれまでも、様々な芸術家の作品や名前をTシャツ等にプリントして販売していました。ウォーホールやバスキアなどはあまりにポピュラリティがあって、買うにはためらわれるものを感じていましたが、遂に若冲にまで及んでいたのですね。


確かに若冲はファンキーです。2000年に京都で初めて展示を観たときのことは忘れられません。一発でK.O.されてしまい、その後は追っかけになり、金比羅山まで絵を観に登りました。この絵師がもし現代に生きていたら、デジタルツールを嬉々として使いこなし、且つ超絶なアナログ技術を駆使していたことでしょう。


だから今更ユニクロに若冲モードが出たからといって、驚くこともないのでしょう。現代への若冲美術の登場自体が、ヴィジュアル・スキャンダルに等しいものでしたから。今年の夏はこいつをはいて、筆を握りたいと思います。下半身に若冲の応援を受け、さぞかしいい作品ができることでしょう(笑)。乞うご期待を!

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最近飯が本当に美味しいです。なぜかわからないですが、一日三食、全部旨いと感じます。毎年夏は体重が増えます。秋から冬にかけて減ります。夏は消耗が激しいから、たくさん食べて乗り切ろうとするみたいです。しかし私としては、夏より冬のほうが美味しいものが多いと決めてかかっています。にもかかわらず、暑くなってからのこのところ、ずっと飯が美味しいです。いいことだなあと感じます。飯がまずいときは、必ずしも料理のせいだけではなくて、食べる人間(私)の心持ちも反映されています。同じものを食べているのに、数ヶ月前は随分とまずいなあと思ったことがありましたから。味って、そういうものなんでしょうね。作る側と同じだけ、食べる側も大いに心を整えるべきです。そうでないと、人生の一部がもったいないことになりますよね。明日の朝も、ナイスな朝食に期待しよう!


「土に触れればひとつふたつ」

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「皆既日食」

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「トビウオ」

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「街中の食堂」

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「ビーフ・ジャーク」

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「乱獲」

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「まばたき」

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「珊瑚にみえた」

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「線路は続くよ」

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「水槽の中の石」

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「空の橋1」

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「ネモ船長とノーチラス号の行方は…」

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「うぢのめ(目)」

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「夏の夕暮れ」

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「ロッド・スチュアート1975」
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