231 <友人一家の関西帰還>
お二人は、関西に帰って来たぞ!という名刺代わりの二冊をこのたび出版されました。まずは旦那からいってみよう!
子供心のやるせないノスタルジーを描かせたら、この人の右にも左にも出る人はいません。まさに山本節全開!といった感じで、計算された色彩には風格すら感じます。(怪獣とロボットのフォルムや色彩に、ビリケン出版のMさんも狂喜するのではないでしょうか…笑)豪華な見返しカラーが素晴らしいのと、カバーの折り返し部分のシャドーがヴェリィ・ナイス。かつて町中のプラモデル屋に入り浸った大人達よ、この本で今一度あの世界にトリップせよ!そうか、次回はシザーデビルとボランの戦いなのか。こりゃまた、グロ〜い一戦になりそうだ…
いいなあ。ほのぼのするなあ。こんなの、描きたいなあ。青山さんの作品には人皆善人思想があるというか、悪人がいません。今回も登場人物みんなが、やんちゃな中に控えめな作法を携えていて、この一家の品の良さ、他者に対するおごりの無さ、比較や到達でしあわせを評価しない価値観などが滲んでいます。きっと絵本の中の温度が丁度いいんだろうな、私には。家の中の調度類の昔懐かし具合もポイント高し。ちなみにガキの頃のりょう君が、私の一押しです(笑)。これぞ羽島デザイン!という見返しの紙質や色、配慮も楽しいです。
それにしても改めて思ったのは、10年という時間は、こんなに短くこんなに重いものなんだということです。10年前に東京へ向かったお二人は、いつしか三人になって関西へ帰還されたのでした。