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253 <音楽えかきむし〜いつも心にアイズレー!(下)>

このタイミングでアイズレーズの特集をしようと思ったのにはわけがあります。2006年にロナルド・アイズレーは逮捕されました。(長期にわたる脱税の罪による、らしい。)翌2007年より3年間の服役中には、持病を悪化させ独房内の病院に入院も。さすがにこのときは、もうこれでアイズレー・ブラザーズも終わりだと思ったものでした。アイズレー・ブラザーズとグループ名を名乗っていても、実質的には1985年あたりからはロナルドが一人でやっているようなものでしたから。


1983年に弟ら3人が謀反を起こしアイズレー・ジャスパー・アイズレーとしてCBSと単独で契約し、本家アイズレーズの3人と袂を分ちました。1986年に長兄オーケリーが心臓発作で死去、翌87年に次男ルドルフが聖職に就く為脱退、この場に及んでアイズレー・ブラザーズは完全にロナルド一人になってしまいました。この時期は彼の新妻アンジェラ・ウィンブッシュが作曲にレコーディングにツアーにと、甲斐甲斐しいサポートでアイズレーズの屋台骨を支えました。92年には分裂状態だった弟アーニーとマーヴィンが復帰。目出たく3人のアイズレーズとなったのでしたが…。


徐々に出番の少なくなったギターのアーニー、全く何もしていなかったマーヴィン。やっぱりロナルド=アイズレーズの図式は90年代〜21世紀になっても同じだったわけです。ま、ファンには周知の事実だったのですが。そして前述の逮捕収監の出来事があったわけですが、2010年4月に目出たく出所!さっそくツアーを開始したそうです。しかも今月28日にはニューアルバムまで控えている!こんな晴れがましいニュースを聞いてファンならどうして黙っていられましょうか!御年69歳で生涯現役宣言まで飛び出しました。アイズレー魂は死なず!


新作のタイトルは『Mr. I』。名義は遂にロナルド・アイズレー単独に。今まではあくまでもリード・ヴォーカリストとして老舗の看板を守ってきたロナルドが、ここへきてソロ・ヴォーカリストとして世に問うアルバム。いったいどんな内容なんだろう?たぶん、今までと全く同じだと思います(笑)。マンネリ、一本調子、大いに結構。それこそ4年間待ったに相応しい答えだと思う。あの声が聴ければそれだけでO.K.なのです。息を吸う音、吐く音、それだけでも聴く価値大アリ、これぞ大衆芸能の権化です。ああ、来週の火曜日が待ち遠しいなぁ〜!


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今年6月8日にマーヴィン・アイズレーが死去しました。糖尿病を患い両足を切断していたなんて…まだ56歳でした。貴方のダイナミックで粘ついた骨太ベースが大好きでしたよ。天国でヴァーノンとオーケリーに会ったらよろしく伝えて下さいな。
by ekakimushi | 2010-09-24 07:30 | 音楽えかきむし | Trackback | Comments(8)
Commented by MICHIO at 2010-09-24 20:31 x
アイズレーを知らない訳ではないですが、ロックに近づこうとしていた時期があったとは初耳でした。改めて、その頃の音を聴いてみたいと思った次第です。
Commented by ekakimushi at 2010-09-24 23:23
あのぉ、アイズレーはロックに影響を受け与えたブラックミュージシャンの一番手でありまして(笑)、いってみればソウルフルなヴォーカルがとれるジミ・ヘンなわけです。

>その頃の音を聴いてみたいと思った次第です。
『Givin' It Back』『Brother,Brother,Brother』『3+3』あたりを狙ってみて下さい。ええぞォ。
Commented by onthenodo at 2010-09-25 08:08
ロナルド・アイズレー、ロッド・スチュワートとの『This old heart of mine』の共演が忘れられません。iTunesでダウンロードしていまだによく聴いています。ロッドの楽しそうな唄いっぷりといったら!音楽を愛するピュアな熱が溢れ出ているように思えます。『3+3』が無茶苦茶エエ、ということは、ブラックミュージック入門期にバラカン本か何かで読んだ記憶があります。いつか聴くぞ聴くぞと思いながら…聴きそびれて今に至っております(悔)。Doobiesが持ち唄の『Listen to the music』をアイズレー仕立てで演ったっていうのはひょっとして、マクドナルド節が唸るフェアウェル・ツアーのLIVE盤収録のあれでしょうか。アルバム『Stampede』のトリプルギター+ツインドラムス、さらにはホーンにピアノの雨あられ、タイラン・ポーターのベースもブイブイいわしまくる、サービス精神満載豪華絢爛痛快丸かじり幕の内弁当な音のパワフルな雑食性は、黒人音楽に共通するもんを感じます。ドゥービーズとアイズレーズ。当時痛烈にお互いを意識してたのでしょうね。それにしても、Tom Johnstonのギターに影響を受けていたとは!これは『Take me in your arms』のオリジナルを聴かねば!!
Commented by takuzo at 2010-09-25 09:21 x
大特集ですね!出獄も去ることながら活動開始も嬉しい!できれば来日も!思えば始めはこんなにアルバムあったら全部は聞けんな、、、と思ってベストを買っていたのに私も気がつけば再発紙ジャケ分のCDはほとんど持っていました。。70年代なんか同じようなジャケットばかりで見分けがつかなかったのに、、私もあの声にやられてしまった口です。マイベストはやはり最初に買った3+3とbrotherx3。カバーも秀逸!オリジナルより聞き込んでいるのは間違いありません。brown eyed girlやトッドカバーhello it's me のあるLIVE IT UP も捨てがたい、、モータウン時代のmy love is your loveも最初聞いたときに昇天しました、、ソウル聞いててよかった!な名曲です。BABY MAKIN MUSIC も名作銀盤!愛聴盤ですが勧めすぎて最近手元にありません(泣)。好きなもんで慣れないのについだらだらと失礼しました。金太郎飴でも結構!新譜にも期待です!
Commented by ekakimushi at 2010-09-25 09:28
<onthenodoさんへ>

ロッドとの共演からももう随分経ちますね。あれはなかなかキャッチーなリメイクでした。
「This old heart of mine」「Take me in your arms」ともに言えることなのですが、アイズレーズのオリジナル曲とはいえ、作曲はHーDーH。この2曲に関してだけなら、ロッドやドゥービーがどこまでアイズレーズを意識していたかは?なのですが…。
「Listen to the music」はおっしゃる通り『フェアウェル・ツアー』に収録されているものです。あのヴァージョンを聴くと、少なくともマイケル・マクドナルドは完全にアイズレーズにイカレています(笑)。また『スタンピード』はカーティス・メイフィールドが参加している点こそが黒さのポイントだと思います。
アイズレーズがカヴァーした曲ではバラードに秀作が目立ちます。「ハロー・イッツ・ミー」「ドント・レット・ビィ・ミー・ア・ロンリー・トゥナイト」「ブラザー・ブラザー」などはオリジナルがぶっ飛ぶ出来です。
Commented by ekakimushi at 2010-09-25 09:44
<takuzoさんへ>

アンタはエライ!
その1:<気がつけば再発紙ジャケ分のCDはほとんど持っていました。> 気がついていないところが素晴らしい(笑)。ベストから入ってオリジナルに手を出す。まさに王道です。私見ですが、アイズレーズを味わうにはこのルートしかないと思います。
その2:<LIVE IT UP も捨てがたい> 実は私が一番好きなアルバムなのよ!重要作が多い。タイトル曲、「ラヴァーズ・イヴ」「ブラウン・アイド・ガール」などはもう絶品ですよね。
その3:<モータウン時代のmy love is your loveも最初聞いたときに昇天しました> 凄いな、、こんなのも知っているんだ…。モータウンでのオリジナル・アルバムには未収録ですし、私は随分遅れて知りました。隠れに隠れた名曲ですよね。
その4:<BABY MAKIN MUSIC も名作銀盤> ありがとう!感涙!薦め過ぎて手元にないというのも高得点。いいですよね。そして新作、早く聴きたいですね!
Commented at 2010-10-21 20:13
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ekakimushi at 2010-10-21 23:11
どういたしまして。感想を期待しております。アイズレーの魅力の一端に触れていただければ、と願っております。
秋の夜長のソウル、本当にいいものですよね。毎年同じことを思います。