281 <音楽えかきむし〜ツェッペリンは行き先知らずの飛行船(中)>
その最大の要因はボンゾとペイジの化学反応だと思います。ボンゾはもともと一風変わったタイム感を持った人でしたが、JB'sのジャボやミーターズのジガブーなどのブラックリズムに狂い出してからは、リフ名人のペイジがイメージを曲にし易い環境を頻繁に提供できたのではないかと推測します。特に一拍目に強いビートが入るJBファンク特有のリズムはボンゾ独自の変拍子と相性がよく、ゼップサウンドの跳ね方粘り方に多大な影響を与えています。そこにペイジがキャッチーなリフを重ねてゆく。曲の原型が出来上がる。こんな絵が私の頭の中に浮かぶのです。
行き先がわからないのはライブも同じで、ゼップ以前にワンステージで2時間も3時間も続けてライブを演る慣習はなかったとミック・ジャガーは語っていました。端正に計算されたステージをするのではなく、時間が経つに連れて演奏にグルーヴが出てくると簡単には終らなくなって、結果一曲一曲が長くなり全体が3時間もかかるステージになる。ライブアルバムやブートを聴くと?というものもありましたが、曲が生き物めいた膨張をするのがスリリングで、決まる時は滅茶苦茶格好良く決まる。決まらない時は、荒っぽくぶった切って終らすのです(笑)。
仰せの通り『BBC Sessions』ではボンゾの太鼓の生々しさが素晴らしいです。あれだけズッシリ聴かせてくれれば、ボンゾの死がゼップの解散理由であったことが明白です。ボンゾこそは絶対に欠けてはならないピースだった。お酒が進むのはこういったところでしょうか?
そうなんですか…人に歴史あり、音楽遍路に想い出あり、といったところですね(笑)。
私と似たところのある境遇です。私も周囲にパープルファンが多くて、もうそれが迷惑で(爆)。たった半年で飽きが来たパープルと違って、謎の多いゼップの耐用年数は永く、音楽への興味が今なお大幅に減っているとは思われません。確かにハードロックの王者ではありましたが、それも十代までの認識で、こちらが歳を取れば取ったで違う旨さを賞味できるのがわかった時は、得難いバンドだなあと感謝したことを憶えております。
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