312 <せっかくの冬>
2月まであと一週間のタイミングでそんなことを考えるということは、たぶん先の時間構成が厳しいのだと思う。弱小動物の防衛本能みたいなものです。そうはいっても、せっかくの冬。籠ってばかりで冬の良さを逃したくはないのです。朝の早い時間に霜がたっている緑地を走ること、荒っぽい波頭の埠頭へ出て行ってわざわざ潮まみれになること、冷えきった夜空の神々しい月を眺めること、激辛のチゲ鍋をこれでもかというぐらい食べて温もること、熱〜いお風呂にのぼせるまでつかってクールファイブを10曲ぐらい唄うこと、疲れ果てて布団の中で泥のように眠りこけること、朝起きてパンツ一梃で冷えた板の間の上で蹲踞していろんな筋を伸ばしたりねじったりすること、すきま風がヒューヒュー出入りする寒い部屋の絵を描くこと。私は今年も冬が大好きです。桜もこいのぼりも、全部7月でいいから、どうか6月ぐらいまで冬が行かないでほしい。