482 <マイ・フェイバリット・アクトレス(下)>
<木村多江>
日本一不幸役が板につく女優として名を馳せた木村多江さん。そのおかげで日本アカデミー賞最優秀主演女優賞にまで登りつめました。確かに薄幸の女性を演じたら、この人の右に出る女優はいません。キャリアのほとんどがそんな役どころだったことで、不幸役の蓄積が半端でないからこそできる凄みがあります。一方で妖艶さも売りにし始めた節があり、表情ひとつで物語が要らないくらいに醸し出すものが豊穣な俳優さんになってきました。一本調子に陥る前に、芸風を広げようという意識が感じられます。
<ミムラ>
私の好きな女優さんが多いスターダストプロモーション所属。デビュー作ドラマ『ビギナー』で彼女を見た時、この人は将来いい女優さんになるぞと思ったのですが、今ひとつ伸び悩んでいますね。結婚~出産~子育て〜離婚で待機していた時期に、女優としての艶っぽさが消えてしまい、少しショボくなって華が失われたかな。あの画面映えする天真爛漫な笑顔が全開する作品に巡り会えればいいのですが。現在放映中のNHK連続ドラマ『梅ちゃん先生』での下村松子役で、ミムラちゃんの新境地が開かれるか。
<真木ようこ>
最近お気に入りの女優さん。見る画像によって、顔がエラく違って見える人です。惚れ惚れするくらい美しいときもあれば、この人誰?というくらい凡庸な時もあります。役柄には割と恵まれていると思う。ポテンシャルを買って起用されているようで、久々に気の強い個性を持った女優さんが出てきました。演技力に安定感を欠くところがありますが、色気があるので許します(笑)。年齢に似合わずしっかりした役が似合うので、後は撮影時の肌荒れにご注意を。大画面テレビの時代故、女優さんも大変ですね。