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577 <合同展のお知らせ>

おなじみ海月文庫さんの今年最初の合同展に参加します。
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2013年 新四回シリーズ合同展 テーマ『映画館』 
場所:海月文庫アートスペース
http://kuragebunko.com
日時:1月19日(土)~1月25日(金)
   11時~7時(最終日5時) 
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いいですねえ、テーマが。映画館と聞いて黙っていられるはずがないです(笑)。年末の隙をみてコツコツと2点を仕上げたのですが、頭に浮かんでくる映画館の多いこと!その中でも人生三大映画館というのがあります。それは舞鶴の浮島劇場、大阪の大毎地下劇場、京都の祇園会館で、今はもう三つとも閉鎖されています。

舞鶴の浮島劇場は高校を出るまでの間足繁く通った場所で、私にとっての初めてホームグラウンドと言える大好きな映画館でした。私の実家から6km離れたところにあったのですが、電車代やバス代を浮かす為に、曲がりくねった海岸線をひたすら自転車をこいで駆けつけていた箱です。この映画館、なんと二階は畳の桟敷でした。たぶんかつての花街の名残ではなかったかと思います。ここで寝そべって、キャラメルコーンを食べながら見た映画の数々…未だに胸が締めつけられる想いがするほど懐かしいです。2本立て3本立て興行がメインで、高校を卒業して舞鶴を離れるときに最後に見たのが『卒業』だったというのはちょっと出来過ぎですかね。

大阪の大毎地下劇場は映画ファンで知らなかったらモグリ扱いされた、そのくらい有名だった映画館。かつて堂島界隈にあった毎日新聞の地下にひっそり居を構え、待ち合い廊下にはそれと見てはっきり通とわかる人が何人もたむろしていました。大学生時代と専門学校生時代に、まさに浴びるようにここで見ました。名画座で料金が安くて二本立て、何回も見れる、席は狭い、前の席に座高の高い人が座るとスクリーンの1/3ほどは見えない、痴漢が多いなどなど、昭和な映画館の代名詞のような場所でした。今から20年前に閉じたのですが、最後の上映作品は『天井桟敷の人々』。さすが、わかってらっしゃる!

京都の祇園会館は建物は今も残っていますが、映画館としては昨年3月30日にその役割を終えました。京都で働いている頃に、週末のオールナイトに毎週通ったものです。緞帳に桟敷席があって、毎年祇園界隈の芸子さんや舞妓さんが集った踊りの会があったと記憶しています。音が極めていい映画館でもありました。改装した1986年(?)だったかに、記念興行のルキーノ・ビスコンティ3本立てを見に行ったら座る席もない超満員で、結局3本とも立ち見した苦い思い出が!あれはキツかったな。私のお気に入りの席は画面に向かって右側の桟敷席の後ろから3席目。仕事のことをすっかり忘れてリラックスできる席でした。

作品としてこの三つの映画館を正確にそのまま描いたわけではないのですが、浮島劇場と大毎地下劇場は要素を拝借しました。それなりに思い入れを込めて。(祇園会館には残念ながら手が回りませんでした。)そんな心の中の映画館を、どうぞ見にいらして下さい。

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by ekakimushi | 2013-01-17 08:20 | 絵のこと | Trackback | Comments(0)