591 <夜になってから>
しかしたまには夜通しで絵を描いてみたい気もあって、昔やったテスト勉強の一夜漬けのような、妙なハイテンションの明け方を迎えてみたい。今では必要がなければやれない体になっていますが、もしかしたらちょっとした刺激があるかもしれないな。なぜそんな気になったのかというと、先日いつも昼間に走っているランニングコースを夜に自転車で通った時、全く別な顔をした場所に出会ったように感じたからです。
昼間は知っている、しかし夜はさっぱり知らない。こんなことが身近に多くあると、本当は出会うべき人や景色、空気感をどんどん見逃している思いになって、少し焦ってしまいます。夜になってから出かけようかな。昼間しか知らないどこかへ。こっそり転げ出そうかな。生き物が寝静まった世界へ。こんな気持ちになるのは、きっと冬から春へ季節が少しずつ変わり始めているからなのでしょう。