人気ブログランキング | 話題のタグを見る

661 <再自爆!第17回大阪・淀川市民マラソン>

三連休の中日11月3日は第17回大阪・淀川市民マラソンの日。10月最終週の大阪マラソンの抽選に外れた多くの人と一緒に、私も雨模様の中、フルマラソンを走ってきました。結果は4時間27分33秒で、参加6030人中1844位でした。順位がいつもよりもいいのは、たぶん出場者の持ちタイムに私よりも遅いクラスの人が多かっただけのことで、タイム自体は悲惨でした。この3月の篠山マラソンの自己ベストよりも20分も遅い!なぜこうなったのか。そこのところをよく考えてみよう!

体調は極普通、レース・コンディションは小雨がパラつくやや高めの気温で(17℃~20℃)、まあこれならいつも通りの走りで問題ないと思って臨みました。レース名の通り、ひたすら淀川沿いを走るだけなので、高低差やカーブもほとんどなく、走り易いコースでした。3月のレースで、マラソンを始めて以来初の自爆を経験したので(詳しくは日記No.590を参照下さい)、さすがに今回は慎重にペース配分を考えていました。それをしっかり実行していれば問題なかったのです。しかし…

スタート30秒前ぐらいだったでしょうか、すぐ脇で応援のブラスバンドがNHKの朝の連ドラ『あまちゃん』のオープニングテーマを景気よくやり始めたのです。そこまでは冷静だった私ですが、半年間欠かさず見てきた人気ドラマの曲で火がついたか、急に「いける!」という気分になって燃え始めてしまい、号砲が鳴ると、もうすっかり酒場の出来上がったおっさんみたいになって、威勢良く走り出してしまいました。今思えば、あの曲を聴いたのが失敗だった…

いかんいかん、こんなペース、早すぎる!と思いながらも、周囲のランナーに合わせてしまったのでしょう。この大会ではフルマラソン参加者全体を目標タイムの早い順でA~Gに分けており、私が属していたのはCでしたが、少し実力が足りていなかったようです(苦笑)。おそらく3時間30分~50分クラスがメインだった気がします。いわゆるハッタリでCにいた私。そこは自重してペースを守らねばならないのに、愚かにもついて行ってしまったのです。

しかもスタートわずか6kmで早くもお小水を感じてさっそく草むらへ。これも予定外。8kmあたりでいつもの右太もも裏の痛みを感じ、12kmで左アキレス腱の痛みを感じ、体の痛みだけは予定通り。15kmを越えて時計を見ると異常に速いタイムに少し怖くなってきました。3月のレースでつぶれた時よりもまだ速い!恨むぞ、『あまちゃん』を演奏したブラバン!19kmでエアサロンパスを足にかけてリフレッシュ願うも、もうこの先の地獄が目に見えている気持ちになってきました。

22km付近でスタート地点へ戻ってくるのですが、ぼちぼち足に異変を感じ出しました。どう考えても変なところが痛い。右足のかかとがおかしい。このレースのコースは河川敷だけに、アスファルトだけではなく、芝生であったり土道、砂利道、砂、泥など普段私が練習で接したことのない地面が多く、おそらく砂利道の石でかかとをグリッ!とやってしまったのでしょう。加えて膝周りの筋肉にも負荷が多いのか、いつもよりも悲鳴の上がるのが早い。地獄の釜の蓋が開いたわけですな(笑)。

26km。雨が強くなり、泥水の地面、給水場にはあるはずのスポーツドリンクも塩もない。もうこんなレース誰が出るか!な気分になってきました。前半のハイペースが早い時間の筋肉疲労となって襲ってきた28kmからは、3月の篠山マラソンの完全な再現でした。走った者にだけわかる感覚から言えば、今回のほうが遥かに足が痛い!こんな苦痛を抱えてあと14kmもどうやって走るんだろう?やっぱり最初の15kmはかなり無謀だったんだ…いい経験をしているなあ、とはとても考えられませんでしたよ(笑)。

淀川をひたすら河口へ向けて下りました。30km過ぎの十三手前の大橋をくぐる際、いっそのこと、ここから阪急十三駅へ行って電車に乗ってそのまま家へ帰ったろうかと思いました。本当にそのぐらい厳しかったです。二度目のエアサロンパスを吹きかけるも、効き目は期待薄。タイムはこの時点で3時間ちょうど。プランAである4時間切りを目指してあの暑い夏場を頑張った私には、過酷すぎる現実でした。ここからどうする?自分からの応答はありません。ただ諦めが悪いのも私の性分なのです。

何かひとつ、光明が欲しい。何でもいいから、何かないか?そう思って走っていたところ、上半身の体幹の疲れが少ないことに気がつきました。なんとか上手く使えないかと体をねじったり前傾させたりして四苦八苦、そのうち少しだけいいストライドを見つけました。この先はもうタイムも望めないし、完走ぐらいしか勲章はない。しかし自暴自棄になって残り10kmを嫌々走って帰るのだけは避けたい。地獄続きでドラマはなくとも、平板な残念物語を完結させよう、そんなプランBに変わった32kmでした。

雨風が強くなりましたが、今までこんな程度ではないレースに出てきたせいで、気持ちだけは太くいられる自分に呆れる第三者的な私がいました。35kmの給水所で待ちに待ったアンパンを口一杯に3つ押し込むと、もう嘘みたいに甘く美味しい!口をモグモグさせながらひたすら先を行く。アンパンを食べたって足が痛いのは治りません。両太ももも疲労困憊でガンガン痛みを訴えてきます。大脳も大忙しですな。しかしそんなの、全部却下!最後まで走る。脳や体のいうことなんか一切無視!

38kmを過ぎて頭もぼやけてきたのか、前方右手になにかピンク色の華やかな景色が見えてきました。時間にして1~2分だったでしょうか。すぐにそれはくすんだ灰色の世界になったのですが、不自然なあの色と賑わいは<あの世>だったのではないかと思い、急に寒気がしてきました。いかんいかん、こんなところであちらへ連れて行かれたら、次の絵本が可哀相すぎるじゃないか!ヨタヨタしながらもその場から逃げるように1km、また1km、ようやくゴールが見えてきました。

両足が付け根から攣りそうになりながらも、ゴール直前でゲストランナーの高橋尚子さんと激しくハイタッチ。彼女とは確か3回目だなあ、と思いながらゴール!予想通り涙も悔いもない。あるのは残骸だけ。スタートの時に『あまちゃん』を演奏していたブラスバンドは、ゴールした今は嵐の『ハピネス』。♪走り出せ〜、走り出せ〜♪と吹いている。今、走って帰ってきたとこだよ!もう(笑)。今日でお別れのシューズを見ると、私以上に疲れ切っていた。すまなかったな。無茶をさせて。ゆっくり休んでくれ。

身支度を整えて、帰りに濃い洋食をたらふく食べました。まだ3時ぐらいでしたが夕食も同然でした。家に帰って熱い風呂に入って目を閉じると、レースの様々な場面が浮かんできました。あ、そうだ、今日は楽天VS巨人の日本シリーズ最終戦じゃないか!そう思って、少しでも寝ておこうと夕刻5時から寝床で仮眠に入ったのですが、あの感動的な第7戦を見ることもなく、そのまま翌朝の7時までぶっ通しで寝てしまいました。14時間睡眠って…赤ん坊か、俺は!

結論を言います。十代や二十代の血の気が多い若い子ではないのだから、出走前に音楽を聴いたぐらいで全身火だるまになってどうするんだ、もう…。そんなことだから後で黒こげの燃えカスになるんだわな(笑)。今回のレースは私の引火しやすい体質が裏目に出てしまったわけです。メンタルですね、やっぱり。そこを考えて、次にトライすることにします。痛い目に遭ってもやるんですよね、これが。言ったでしょ?諦めが悪〜い性分だって(笑)。

661 <再自爆!第17回大阪・淀川市民マラソン>_f0201561_747472.jpg
             添付されている画像の無断転用・使用を禁止いたします。
by ekakimushi | 2013-11-05 08:05 | スポルト日記 | Trackback | Comments(0)