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747 <だから日本人は…>*

海外の調理学校で学んだ経験もあるシェフがおいしい料理を出してくれるという噂の、知る人ぞ知るお食事処での話しです。


そのお店で友人らと昼食を楽しんでいた時、会話に加わってこられたシェフが軽~く発した一言に私はすっかり幻滅してしまいました。「だから日本人は駄目なのよ」。国粋主義者でもない私がそんなに神経質に気を尖らせることもないのでしょう。しかし日本に加え欧州でもいろんな経験をされてきた方とは思えない軽卒で安い言葉は、料理の味までも損なわせることになってしまいました(会話の前後関係を説明しないとなかなか理解しづらいですが)。切り捨てるように放たれたあの言葉だけは、ちょっと…


お客に対するマナーとか、そういうのはちょっと横に置いて、「だから日本人は駄目なのよ」とバッサリ言い切る心持ちとはどんななのでしょう。海外で多くの優秀な人を見てきた経験。ある分野において国と国との優劣を決めつけれる鑑識眼。そして影響を受けた美意識。そういったものを兼ね備えて、なおかつ口に出たのがその言葉だったとしたら…。いろんなものを育み醸造してきた人生から発っせられるにはあまりにも不似合いな言葉でした。言いたい事と伝わる事が違う筋道を流れていました。


そのシェフは短絡的にそう思って仰ったわけではないのでしょうが、ポロッと会話の中に自然に顔を出した言葉であったが故に、どこか人格の中に似たような巣を感じざるを得ませんでした。ここまで書いて思い出しました。この言葉は実はよく耳にしています。きっとそのたび私は嫌そうな顔をしていることでしょう。たぶん嫌いな言葉なのでしょう。奥底まで分析したことはありませんが、上澄みだけをすくって大切な物事の是非を決めつけるような物言いが大嫌いなのでしょう。そしてもう一つ思ったのは、この出来事は、きっと絵になる。そんな予感があったのでした。

(*日記No.0076 2009年9月23日掲載のリメイクです。)

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by ekakimushi | 2014-10-06 17:43 | 絵のこと | Trackback | Comments(0)