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798 <左手の能力開発>

私の利き腕は右手で、鉛筆を持つのも、ボールを投げるのも、お箸を持つのも、全て右手で賄ってきました。それで右手に勤続疲労を感じたことがあったかといえば、ありました。集中して絵を描いていて、二の腕あたりが発熱するのは茶飯事です。これは昨年のことですが、パソコンのマウス操作のせいでしょう、ふた月ばかり右手の甲の部分に痛みを感じていました。そのときに、思いきって、マウスを左手に握らせてみたのです。

数年前にも同じようなことがあって、左手でマウスの操作をやってみたのですが、あまりに不器用なので、断念しました。再度やるのだから、今度は長い目でみようと決めて左手を動かしましたが、右手に比べて左手は視覚や脳との接続が本当に悪い気がしました。左手にいら立つことが多くて、困ったものでした。2ヶ月ほど経って、ようやく慣れてきて、今日で7ヶ月が経ちますが、なかなかよくやってくれています(笑)。

当初は右手と同様の動きはまず無理だと思っていましたが、どうしてどうして、結構やるもんです、左手君。マウスを動かすのは、お箸や鉛筆を操作するのに比べて、微妙なフリーの動きが少ないせいか、馴染むとそれなりに学習を積み重ねているような気がします。利き腕とかいって、勝手に左手のポテンシャルを軽く見た私が間違っていたのですね。今では堂々のマウス担当として、パソコン前で縦横無尽に活躍してくれています。

思えば似たようなことを左手に憶えてもらったことが幾つかあります。歯磨きをする手、お米を研ぐ手、雑巾がけをする手は、左手に任せてそれなりに上手くゆきました。できることは案外多いのだと思います。それを阻んでいるのは脳の思い込みで、打破してくれるのは不便さとストレスなのでしょう。私のカチカチの堅い頭を、柔らかいもののように感じる瞬間を、左手は教えているのかもしれません。

手の左右を使うバランスを考え始めたのは、おそらくランニング時の腕の振り方からきていると思います。左右で腕の違う動かし方を、体幹に同等の連動を通じさせるようにする。そんなことばかりを考えて走っていたら、日々の生活の中で、左手の能力が埋もれているような思いになりました。まだまだ多くの余地があると思う。そのうち絵も任せることになるかもしれない。大いに頼むぜ、左手君。これからは君の時代だ!

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by ekakimushi | 2015-03-30 13:58 | 絵のこと | Trackback | Comments(0)