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935 <過去に描いた絵を見直して>

必要があって、過去に描いた絵を見直しています。16、7年前の絵で、この時分の作品はほとんど手元にはなく実家に眠っているので、機をみて幾つかを持って帰ってきました。

じっくり眺めると様々な感想が溢れ出てきます。そして嫌でも今の作品と比べてしまいます。その辺は自分の胸の内に納めておいて(笑)、当時の私が絵を描いていた環境や状況が、そのまま作品に色濃く反映されているのは間違いないようです。1998年〜2000年ぐらいまでの、ちょうど個展をやり始めた頃の絵です。

当時私はまだ絵本の出版を模索していた頃で、具体的な作品の発表の場といえば、種々の公募か個展だったと思います。加えて会社に勤務していたこともあって、時間的な制限も大いにありました。つまり作品の制作時間や発表の場において、今よりも大きな足かせがあったのです。

そういったことを前提で過去の作品を見直すと、明らかに今とはかなり異なった要素が散見されます。具体的にいうと集中力が違うと思う。これは以前から感じていたことですが、私は制作時の注意力が散漫になってきているのを自覚しています。以前だったら3〜4時間の連続作業は当たり前でしたが、このところどうにも続かない。年齢によるものなのか、飽きっぽい性格が理由なのかわかりませんが、その一理に、かつては捻出した時間内に全部を終わらせようと急いで描いていたことが挙げられます。見た目の筆速が全然違うのです。

制作時のメンタリティも随分変わったと思います。締め切りやいろんな意向に左右されて、判断悪く焦って描くことも多かった。それが今では妙に図太くなってしまい、手癖でこねくり回したような絵に自分でO.K.を出してしまうこともあります。やはりどちらがどうとは言えないな。

それでもかつての絵に戻ろうとは、夢にも思いません。今私が描いている作風は、今の自分の筆の運びであって、16年前の私の意向からすれば、鈍くてイライラするものでしょう。という風なことを書いていても、それは私が自分本位で感じただけで、他の人から見れば「何も変わっていないじゃないか」と言われるかもしれないですね(笑)。

もう少しの間だけ、過去の作品を見つめ直してみたいと考えています。

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by ekakimushi | 2016-09-27 13:10 | 絵のこと | Trackback | Comments(0)