978 <わかりやすい本>

年初に仕事用である人と会った折に、引っ掛かった言葉がありました。要約するとこんな内容の話しでした。「わかりやすい」ことが求められている。今の読者にとって「わからない」ことに対する違和感はとても強く、作品中序盤の少々の分量で、内容が「わからない」と判断をされてしまうと読み進める事に抵抗感が起こり、最後まで辿り着いてもらえない。特に児童書では作品を読んで確実に「わかる」ところに着地するものが求められている、と。


今の話しじゃないだろう。もうずっと前からそうじゃないか。私はそう思ったのですが、それでも最近の児童書の宣伝文句や帯の紹介文などを目にするたび、いつもどこか「違うだろうに…」との念いが湧くのです。「すぐに眠れる本」「絶対泣ける本」「必ず感動する本」「読み聞かせでウケる本」「みんなで笑える本」等々…これでは家事や医療などの実用書コーナーに置いてある方が合っているようで(笑)。


売りものである本が評判になることや売り易いことはもちろん大切で、本が売れることは販売に携わる人たちにとって最大のミッションです。そのために数多くの試行錯誤がなされ、そのひとつに作り手の制作根幹に<わかりやすい>が求められているんだろうと察します。感度の鈍い私にも、それはよく「わかる」んです。よく「わからない」作品、きれいに割り切れない作品、安直で「わかりやすい」だけの着地で終わらない作品に、皆で一律にNoを出すようなことにならないだろうか。そんな心配をしてしまった年初でした。


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by ekakimushi | 2017-03-20 17:57 | 絵のこと | Trackback | Comments(0)
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