人気ブログランキング | 話題のタグを見る

1019 <喜びにつながってゆく>*

好きなことでしか自分を生かしてやれないのが人間だ。そんなふうに、ふと思いました。それも何か創造につながるようなことで喜びを感じられると、人は生きてゆける生き物だ、と。なぜこんなことを思ったのかというと、たまたま会った人に生気を感じなかったからです。理由はなんなりとあるでしょう。私にその場で降りてきた考えは「この人は何かをやりたいにもかかわらず、それがどう喜びにつながってゆくのかについて無頓着だ」というものでした。何かをすることと、喜びとの間に、決定的に欠けている認識がある。それは創造だと思い当たりました。

創造といっても何も小難しいものではなくて、日常生活のところどころにある雑務ひとつにも、創造が入り込む隙間は山のようにあると考えます。掃除、料理、洗濯、買い物、近所付き合いなどは、一見創造という言葉とは縁遠いような印象がありますが、「こうやってみたい」と思いついたことで手が加わり、自分の知らない景色が現れることがあります。落書きでも鼻歌でも思いつきの俳句でも、うまくいったときや気に入ったものになったときは、必ず気持ちが跳ねてポップな心持ちになります。それは自分が自分を幸福にした瞬間だと思って間違いないでしょう。

人間が好きなことでしか生きてゆけない生き物だとしたら、それは好きなことを創造をするという行為そのものが本人の生命体にあたるわけで、こんな大事なことに無頓着でいいのか。そう気づいた私はひとことだけ告げてその場を去ろうとしましたが、それは未遂に終わりました。とっさに的確な言葉が思い当たらなかった。(こういうことが私は多い。)もしその人がこのブログを見てくれていたら、遅くなったけれどこう伝えたかったのです。今日の創造が明日の喜びにつながっている。今日の創造で明日の自分は活かされる。ま、大きなおせっかいだと言われるかもしれないな。

(*日記No.517 2012年8月15日掲載のリメイクです。)


1019 <喜びにつながってゆく>*_f0201561_13052286.jpg
 添付されている画像の無断転用・使用を禁止いたします。





















by ekakimushi | 2017-08-19 13:08 | 絵のこと | Trackback | Comments(0)