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1023 <『はしをわたってしらないまちへ』(1/4)>

9月1日に新刊絵本『はしをわたってしらないまちへ』(福音館書店月刊こどものとも5〜6才向け10月号)がめでたく発売になりました。少し出遅れましたが、今日から4回連続で、恒例の新刊絵本の特集を組みたいと思います。もう手にとられた方も、まだの方も、作り手の側からみた新刊絵本のあぶり出しを楽しんで下さいね(笑)。


発売を記念してこの9月5日(火)〜10日(日)まで、神戸のギャラリーヴィーさんで 原画展をします。本作の全原画を展示する他、発表済みのオリジナル作品も合わせて展示する予定で(←こちらは販売しますので、どうぞよろしく!)、全部で50を越える点数になると思います。もちろん本の販売もありますし、9月9日(土)16:00からは文章を担当した高科正信さんとのお話会 + サイン会もあります。少し涼しくなりかけた関西一円です。神戸方面へお出かけの際には、どうぞおいで下さいませ。


自分から積極的に原画の展示をする作家さんもいますが、身も蓋もない言い方をすれば、絵本の原画展というのは、概ね版元さんが商品(絵本)を売るためのツールとして、展示企画を主導されているのがほとんどだと思います。自分から全部を賄ってやるというのは、作者やギャラリーさん側が絵本の原画を見てほしい!と切望されるケースか、もしくは個展かなにかの展示の数合わせ的なケースが該当するのではないでしょうか。


絵本はあくまでも複製物(印刷物)が最終形です。原画や作中の文字は、紙やインクと同様に、その素材に過ぎない。私はそう考えています。それと同時に、もちろん原画を見てもらって、印刷物では味わえないものを感じ取っていただけるのは光栄なことです。なんといっても原画は一点ものですし。お客さんが原画展にいらっしゃる理由もそこにあると思います。つまり絵本の原画展を見るというのは、手に取って絵本を読むということとは、全く別な行為です。そんなこと、私がやいやい書かなくても、みなさん充分におわかりでしょうね💦


ついでにもう一つ言うと、私に関しては、絵本原画展は個展ではありません。今回はかつて個展で出した作品と同席しますが、やっぱり私にとっての個展とは、その時々の新作でまとめたものを指しています。個展ならではの、自由で気ままな世界を創る行為は、原画展には望めないと思います。なんか、来て下さいとか言いながら、原画展について否定的なことばかり書いていますよね。でも、決して原画展が嫌いなわけじゃないんですよ。なかなか(版元さん主導で)やってもらう機会がないもんで、スネているだけなんですよ(笑)。


今回の原画展は、文を手がけた高科正信さんの口利きで、ギャラリーヴィーさんにお世話になることになりました。いいタイミングでうれしいです。絵本自体は一冊420円と、コーヒー一杯分のお安いペーパーバック価格なので、みなさん躊躇せずに買って下さいね。頼みますよ。第一回目は訳の分からない宣伝になっちゃいましたね(笑)。次回は作品の創作過程をお話しします。乞うご期待を!


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by ekakimushi | 2017-09-03 19:34 | 絵のこと | Trackback | Comments(0)