カテゴリ:逃げ足のはやい詩集( 49 )

苦いな 人生は
古い置き薬みたいな 味がする
自分から進んで 口にしない味がする

辛いな 人生は
舌や喉が 焼けるぐらいに 辛いことがある
いつも突然に辛いから そのたびに脂汗が出る

酸っぱいな 人生は
顔中が 皺で埋まるくらいに酸い
堪えても堪えても いつまでも酸っぱい

甘くないな 人生は
噛んでも噛んでも 甘くない
一度ぐらい甘いと感じたいけれど どうしたらいいのかわかならない

こんな食べ物 他に知らないよ

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ギブスさんの話しをしよう。

私がランニング練習で走っている公園で、よく出会うランナーがいる。
2回走れば1回は出会うぐらいだから、すっかり覚えてしまった。
その人は、左手と右足に、薄いクリーム色のギブスをして走っている。
たぶん車の事故に遭ったんじゃないだろうか。
以前は首にもギブスをしていた。
かつてランナーだったのか、それともリハビリでランニングをしているのか、詳しいことはわからない。
ただ、ギブスを付けて走るというのは、見た目に重々しいし痛々しい。
彼が走ると、ギブスのカシャカシャいう音がするので、後方にいてもすぐにわかる。
それで私はその人をギブスさんと名付けたわけだ。

ギブスさんのランニングフォームは格好悪い。
ギブスを付けているせいで、左の肘が張って、極端に右肩が下がる腕の振りする。
足の運びと言えば、これも右足を引きずるように走るので、とてもリズミカルには見えない。
あるとき周回コースで、ギブスさんが私を抜くので、
こんなギブスをしているランナーになんか負けられないと思い、抜き返した。
もうこれでついて来れないだろうと思ったら、なんとギブスさんはまた抜き返してきた。
なんとも負けん気の強いリハビリ野郎だ。
それからギブスさんとすれ違うと、ギブスさんのフォームに、
少しずつ躍動感が出てきていることに気がつき始めた。
回復しているのだろうな。
それでもギブスを装着したまま、相変わらずカシャカシャ音をさせながら、
ギブスさんは格好悪く走っていた。

昨日私は二週間振りに走りに行った。
久しぶりなので、ゆっくり身体のパーツの安全を確かめるように走った。
ランニングコースの樹々のシルエットが鮮やかだ。寒い冬にほんの少し春が混じってきたのを感じる。
誰かが私を抜いてゆく。
この気温の中、短パンの出で立ち。
元気な人だな。
そう思ったその人は、ギブスさんだった。
あのぎこちないフォーム。
間違いない、彼だ。
しかしおかしい。
カシャカシャいう音がしていない。
私は周回路に入り、逆走して確かめようと思った。
向こうから走ってくる人は、やっぱりギブスさんだった。
でも、もうギブスはしていなかった。
外せるようになったんだ!
近づいてくるギブスさんと、すれ違う瞬間に目が合った。
時間にしてコンマ数秒。
それで充分だった。
ギブスさんから離れながら、涙がこぼれ出てきた。

私はギブスさんの名前を知らない。
話したこともない。
知っているのは、彼の負けん気が強いことと、ランニングフォームが格好悪いこと。
私はギブスさんに、言葉なんかかけない。
今度ギブスさんが前を走っていたら、抜いてやる。
もしギブスさんが抜き返して来たら、また抜いてやる。
それがランナーの心意気というもんだろう。

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知らなかったと 知らんぷりしているあいだに

どんどん 終わってゆくよ

見てない 聞いてないと しらを切っているまに

つぎつぎ 終わってゆくよ

都合のいい 自信だけを欲しがって 自分をごまかしてばかりいるあいだに

すっかり 終わってゆくよ

気づかず 動かず 感じず 考えない月日は

いくら重なっても 消えてゆくよ

人の言葉を聞いて そのまま右から左へ流すだけの 話し相手は

どれだけいても みんな去ってゆくよ

ちがうちがうと 否定しているうちに

手のひらから こぼれ落ちてゆくよ

いいわけばかりを さがしているうちに

なにもかも 終わってゆくよ

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       かいてもらうのを まっとる えが つくえの むこうに ならんどる

       ぼくが ひとりで かくんやから いっぺんには でけへん

       じゅんばんに ならんでもろて えを かいたんや

       たまに あきらめて おらんように なってしもた えも ある

       たまに いそいでくれ いうて よこはいり する えも ある

       えを かくときは おまちどおさん いうて かく

       かきおわるときは また あおな いうて おわる

       まだ かいてへん えが れつに なって ならんどる

       ぼくが ひとりで かくんやから どこにも いかんと そこに おってや

       そう たのんでから えを かく

       ぼくの まわりは まいにち かきたい えで いっぱいや

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             なつの あついひは 

             あおい うみの えを かいた

             あきは おちばの いろの えを かいた

             ふゆの さむい ゆうがたは

             しろい いきを てに ふりかけて
 
             えんぴつを にぎるんや

             はるに なったら

             つちの なかから はいでてくる 

             つくし みたいに できあがり

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              いちばん ほしいもんは

              なんかと きかれたら

              24しょくの えのぐ

              24しょくは 12しょくとちごうて

              わからんいろが いっぱいある
              
              まぜたり うえから ぬったりせんでも

              もとから いろがある

              けど

              24しょくを みな つかうんは

              あれも これもで

              きい つかうさかい

              いちばん ほしいもんは

              なにかと きかれたら

              12しょくの えのぐを

              2つ ほしいかもしらん

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                    えきの ポスター みとったら

                    おんなじのん かきたなった

                    いえで おもいだして

                    えを かいたんや

                    えきに いって ぼくのと

                    ポスターとを くらべたら

                    ぜんぜん ちがうやん

                    ぼくのほうが ええな
          
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あさ 7じにおきて え かいたんや

まだ てのひらが ねむたい

おひるの 12じはん 

てんきが ええさかい 

ひとさしゆびが そとに でたがっとる

よるの 8じ

おやゆび もう ええやん いうとる

よなかの 12じ

ふとんのなかで みぎてが 

ペンをもった かっこうのまんま

おやすみなさい
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かきたい きもちが いごいご しとる

ごはんを たべとっても

べんじょに おっても おちつかん

かきたい ぼくが よろこぶように

えを かいたんや

そしたら ごはんは おいしいし

うんこも よおでる

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えを かいたんやで

たのしいこと いっぱい

あたまに つまっとるから

えに かいて

みんなに みてもらうんやで

きっと みんなも

たのしいなる
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