「ほっ」と。キャンペーン

カテゴリ:スポルト日記( 43 )

しこ名が萩原の頃から、稀勢の里は気になる力士だった。確か十両時代だったと思う。テレビで一目見て、力士として今時珍しい古風然とした佇まいに惹かれたことを憶えている。体格も素晴らしくてまだ十代と若かった。これはうまくいけば角界を背負う力士になるかもしれないと。あれからどのくらい経ったことだろうか。


萩原から稀勢の里になった男は、何度も何度も期待通りの活躍ができず、モンゴル出身の力士の添え役扱いに甘んじてきた。大事な一番で勝てない彼に、協会もマスメディアも言いたい放題だった。やれ、関節が硬いだの、出稽古に行かないだの、神経質だの、相撲感が鈍いだの、好きなように罵詈雑言をぶつけていた。そしてテレビで見ていても、後一歩のところでスルリと優勝を逃す稀勢の里は、悔しさを滲ませていたにもかかわらず、周囲からの酷いあしらいに抗う様子もなかった。我慢が信条なのはわかるが、しかし…


元大関貴ノ花の熱狂的なファンだった私は、稀勢の里が二所ノ関一門の鳴門部屋(というよりも阿佐ヶ谷一門か)出身ということもあって、いわば反両国派の力士として応援していた。が、この十数年間はそんな了見で相撲を見る時代ではなくなっていた。長い間外国人力士に国技をお任せしていたと嘆く好角家も多いが、現実にモンゴル出身の力士が一人もいなかったら、大相撲はずっと前に完全に消滅していたのではないだろうか。少なくとも八百長事件で多くの力士が罰せられた時に、角界を救ったのはまさしく横綱白鵬だったのだから。


その頃の稀勢の里は黙して実直、相撲は強いのだが、優勝争いに加わるも、賜杯を抱くには今一歩足らないところがあった。端的に言うと強い相手に強くとも、弱い相手に弱かった。また大一番になると、安全策の受けの相撲で後手を踏むケースが多く、そこを相手につけ込まれて速攻で何度も涙を飲んだ。そんな彼を懲りずに応援する気概を、私は徐々に失なっていった。


一昨年あたりから、立ち合いの一手に大きな変化が見え始めた。相手の身体が浮くほどの徹底した左のおっつけが強力な武器になり、取りこぼしが減った。一時ほど差し身も悪くなくなった。立ち合いの早さこそないが、相手を呼び込んでから土俵際で突き落とすなど、意図して相手充分で組み合って罠を仕掛ける相撲も見られるようになったと思う。15日間のトータルを見渡して土俵に臨む姿勢が顕著になり、残すは成績だけというところだった。私といえば、一歩離れたところで静観していた。近寄り過ぎると、あまりに悔しい結果が待っているに違いないから。


そして今年の初場所。思いもよらない初優勝だった。運も大きかったが、14勝1敗の成績は文句の付けようが無いだろう。優勝が決まった後だったとはいえ、千秋楽の白鵬との一番は相撲ファンにとっては堪えられない勝負になった。白鵬の立ち合いからの一気の攻めをこらえにこらえて、土俵際で鮮やかな掬い投げで逆転勝ちをした。私はあの相撲を、稀勢の里は狙っていたと見る。あれほど白鵬の寄り身と手足の回転が軽く見えたのは初めてだ。


優勝後のインタビューで涙を流す稀勢の里に、私は申し訳ないことをしたと恥じ入った。諦めていたのは私だったのだから。念願の優勝に浸る稀勢の里を褒めたり讃えたりする資格は、私にはないと思う。たぶん全国に同じような気持ちになった大相撲ファンは少なからずいたのではないだろうか。この場になって手のひらを返すように大きく持ち上げるメディアにうんざりする人も、同じように多いことだろう。稀勢の里本人には全く落ち度のない話しである。


先場所後の日本大相撲協会と横綱審議委員会の昇進の発言には、いささか「いい加減にしろ」と言いたくなったものだ。散々貶してこき下ろした力士を、全く関係のない年間最多勝間を持ち出してまで横綱昇進気運を繕う様は、協会のご都合主義そのものだと感じた。そうまでしても、日本人横綱が欲しかったのだろう。稀勢の里は極度のプレッシャーの中で昇進を勝ち取る場所を失った。力士は協会に従うしかないのだ。


が、これでよかったのかもしれない。今まで散々苦渋を舐めた力士である。ほんの少しの容赦があっても、それもまた実力であり彼の相撲人生なのだから。

f0201561_13252688.jpg
休場をしない力士であることへの評価も高い。無事これ名馬そのもの。これから先、白鵬と共に角界をリードしてくれることを願わずにいられない。

























[PR]
一昨日の11月13日に、第2回おかやまマラソンを走ってきました。これでフルマラソンは11回目。今回も無事完走できました。タイムは4時間32分51秒。随分遅いですが、今の私としては、これが精一杯。やっぱり練習で満足に走れていない距離は、本番で走れるはずがないです。情けないですが、今回もそのことがよくわかりました。湿度はまあまあだったのですが、日差しが強く、郊外に出ると日陰の全くないコース取りなので、発表された気温(最高気温20℃)よりも身体に堪えるコンディションだったと思います。

昨年の第1回大会が大きな成功だったおかやまマラソン。少しピリピリした昨年の雰囲気とは違って、今年は運営に余裕が感じられた。私も二回目ということでコースが概ね頭に入っており、前回とは大きく違う。参加人数は約16,000人と昨年よりも増えている。かぶり物ランナーも多くなった。そのせいか、スタートをしてから、混雑が少し長く続き、時間のロスとペースの掴みが悪くなった。本当のランナーなら体内リズムが出来上がっているのだろうが、気分屋の私はどうもその辺がいい加減で流されてしまう。

6kmぐらいでまともに走れるようになってきた。ちょうど岡山中心部から郊外へ出てゆくあたりで、日差しが強くて気になる。前を走るおじいさんの背中は、既に汗でびっしょり。これは厳しい道中になりそうな予感があった。おまけに水分が体内に余計に残っていたのか、出走直前にトイレに行ったにもかかわらず、7km付近でまた行きたくなってきた。仮設トイレで順番を待つこと2分。あ~あ、もったいない。しっかり出して走り出す。湿度が低くて気持ちはいい。これで日陰ばかりだったら言うことはないのだが、残念ながら路面は日照りばかりだ。

10km通過のタイムを見る。エラく遅い。これはとても記録を狙えるペースではないな。事前の練習ではそれなりに走れていたが、どうも右のふくらはぎの奥にある筋肉が痛んでいるようで、28kmぐらいからが苦痛だった。そのことが頭にあって、思いきったハイペースのレースはできないだろうと思っていた。汗が多いので、後半はダメージが来るだろうと予想もされた。13〜4kmのあたりで、レース目標は完走(走る状態で終える。この場合、完歩は含まない)に変更した。それだって大変なことだろうな。

16km付近。折り返しのランナーがやってきてどんどん通り過ぎてゆく。すぐ横で「腕振れ〜!足出せ〜!」とでっかい声で叫ぶ女の人が。有森裕子さんだった。相変わらず怖いな、この人は(笑)。根っからの体育会系で、応援というよりは脅し寄りの励ましだった。橋を渡って進む。おかやまマラソンは坂道の少ないコースが主体だが、橋を渡るときはどうしても坂道になる。坂道では下半身の疲労度が実によくわかる。う〜ん、思ったよりもキテいる。給水所で塩アメをもらって気分転換。このアメをちゃんと置いているって、わかっているよなあ。

19kmを過ぎて、いよいよ中盤。正直言って、ここらから退屈なコースが続く。沿道の声を張り上げた応援がありがたい。それでも、ハイタッチとかは私はしない。できないのである。腕の振りも時間が過ぎると疲れてくるので、できるだけ省エネを通したい。かぶり物のランナーが後ろにいて、やたら声援をもらっている。何だろうと思って振り向くとピカチューと桃太郎がいた。そりゃ子どもは喜ぶわな。レース中間地点の21.1kmを通過。2時間13分か。ま、こんなもんだろう。ここから巻き返す可能性は…ないわけじゃない。

歩くことなく、走る。どれだけ遅くても、走ってさえいれば、それだけで儲けもの。これが私の今回のレースのテーマになったこともあって、回りのランナーのペースに惑わされずに走れる。25kmを越えると、1kmごとの表示が長くなってくる。まだか、まだか。26kmがなかなかやって来ない。右足のふくらはぎをかばっているせいで、今度は左足に異常を感じる。最後まで保つかなあ。心配だ。28kmに差し掛かる。ここらが私の練習時の泣き所、つまり執着心が薄れるポイントだった。走ってさえいれば…と念じる。

30km。最大の難関の旭川越えの大橋だ。急な坂道で歩くランナーが続出。ここを走って登らなかったら、おかやまマラソンへ来た意味がないじゃないか。強がりだけで身体を前へ押し出してゆく。きついな〜、本当に。下ってからは川沿いの土手の道へ。このまま8kmを北進する。去年もしんどかったところだ。33km表示のところで沿道の応援者から声をかけられる。「あと10km、がんばれ!」ちがうでしょ。あと9kmじゃないか。この苦しい1kmを勝手に省略するんじゃない。憤るだけの元気はまだあるようだ。

35kmで3回目のトイレ。腕の振りがいつも通りでないのか、左の背中が痛い。こんなことは初めてだ。そう、そうなんだ。何回走っても、同じレースはない。毎回が初めてみたいなものだ。練習もそう。だから退屈せずに続いている。あと7km、さあ、初めてのことを続けよう。緩やかな流れの旭川を左に見ながら、もっと緩やかに走る。長い長い1kmを繰り返し走り終えることでしか、このしんどさは消えない。39kmでようやく市街地への大通りに出る。よっしゃ、あと3km、ここまできたら、絶対に戻れるぞ。

去年は通り沿いに想像以上の観衆がいて感激した交差点だが、今年もたくさんの人だ。右足の小指の深爪がこの場で痛んできた。もうちょっとなんだから、大人しくしていろ!唇を舐めると、強烈な塩っ辛さだ。ああ、これだけ塩を吹いて、よく帰ってきたな。応援の声を聞きながら、大通りをバランス悪く走る。きっと見栄えの悪い走りなんだろうな。しかしこれしかできない。こうやってでしか、前へ進まない。やっぱり似ているよな、マラソンは。自分の生き方にそっくりだ。忘れていたけど、俺、55歳なんだよな。遠くまで来たよな。

シティライトスタジアムに入った。最後の400mは自分と他のランナーへの敬意を込めて、思いっきりダッシュをすると言ったのは村上春樹だったが、私だって同じだ。この景色を見たくて走ってきた。足のふくらはぎがちぎれそうだ。なぜこんな場所を私は走っているのか。もうちょっとだけ我慢して腕を振ろう、足を出そう。たくさんの歓声の中を、ゴール!晴れた空、緑の芝が目に入る。ふぅ〜、終わった…。顔や腕や足の表面は塩でザラザラじゃないか。手の甲をちょっと舐めてみる。新鮮な塩って美味しいな。


f0201561_12165147.jpg






















[PR]
秋が深まってきました。それにしても日本シリーズです!昨日の西川のサヨナラ満塁ホームランといい、一昨日の大谷のサヨナラヒットといい、一夜明けても興奮が収まらないゲームが続いています。シーズン中から欠かさずゲームを観戦するわけではない、身も心も根っからのプロ野球ファンとは言えない私ですが、それでも開幕戦や交流戦、CS、そして日本シリーズといった大きな舞台には気持ちが高鳴って、ついついチャンネルを合わせてしまいます。

今シリーズはセ・パともにスカウティングと育成でここまで伸し上がったチーム同士の対決です。もしどちらかが金満球団であれば、私の応援する側も簡単に決められたでしょうが(笑)、今回はとても難しい。敢えて私は日本ハムを応援しています。なんといっても大谷翔平の姿があまりにも魅力的です。人に光り輝く季節があるとしたら、今年の大谷は正にその季節の中を生きていると思う。彼の才能や実力は多くの人が語る通りだと思います。私が本当に凄いな感じるのは、大谷の野球センスです。

彼がダッグアウト前でちょっとしたボール扱いをする様や、打席での内角球のよけ方を見るだけで、この選手は尋常でない野球勘を持っているなと感じます。走塁の意識や思考力の高さを含めて、全てにおいて高度なバランスを保っており、とても22歳の選手とは思えない。プロ野球10年選手ぐらいの落ち着きや知恵の蓄えがあります。大谷本人の資質や努力もあるでしょうが、ここまでの異質な素材を先を見て育てようとしてきた球団の姿勢と成果は、もっと高く評価されるべきでしょう。

そしてこれはすべてのプロ野球ファンが多くを語らずに、しかしみんなが同様に思っていることでしょうが、大谷翔平はそう遠くない将来、大リーグへ行くことになるでしょう。それもF.A.権取得以前に、もしかしたら、来シーズンかその一年後あたりに、海を渡る可能性も大いにあると思う。我々が彼の姿を日本プロ野球界で見ることができる時間は、そんなに残されていない気がします。彼が両手両足を目一杯広げて活躍をするには、この国では少し狭いのかもしれない。このシリーズを見ていて、そんな風に感じます。

明日の第6戦は大谷が先発予定です。どんな試合になるんだろう。彼と入れ替わるように去ってゆく広島の黒田の登板はあるのか?いろんな思いが交錯するシリーズです。

f0201561_15093078.jpg























[PR]
今回でフルマラソンは10回目。その内篠山ABCマラソンは今回を含めて5回。実に半分は篠山で走っているフルマラソンキャリアです。昨日は気温が上がって、篠山のレースとしては異例の18℃。これまで4回走って、一番低いときで3℃、高くても10℃未満だったので、生暖かい温度には相当に面食らいました。それだけが理由ではないにしろ、タイムは4時間38分8秒とさっぱりで、順位もほとんど後ろの方でした。それにしても篠山は何かある。まさか直前になってこんなに気温が上がるなんて、誰が想像できたでしょう。

真冬の5〜6℃での走りに慣れている身体には、18℃は異様に感じられた。スタートして、普通は3kmほどで身体が温まるのだが、昨日は1kmも走ると首の後ろにタラリと冷たい汗が伝わった。これはきついレースになるぞ。加えてレース二日前の練習で、ただならぬ調子の悪さを感じていたので、それが本番に繋がる予感は大いにあった。どうも数年前に痛めた股間がおかしい。ずっと治まっていたのだが。決定打は体重。狙っていた線よりも1.5kgはオーバーしている。一歩一歩が重い。アスファルトに足型がつくような錯覚がする。


それでも9kmほどまではペース自体は悪くなかった。例年篠山は必ずと言っていいぐらい雨が降るので、尿意に悩まされるのだが、今回は生温い気候もあって、トイレにもそんなに行かなくて済むだろう。最初の異変は14kmあたり。右足の膝後ろに張りが出てきた。この距離で違和感が出る箇所ではないのに。やはり暑さだろうか。腕をまくって半袖にして走るが、大して変わりなし。16km付近で路上にゲストの有森祐子さんが。昨年はインフルエンザで病欠でしたね(笑)。今年は元気にハッパをかけてくれた。彼女が銅メダルを獲得したアトランタ五輪はもう20年前か。


21.1kmの中間地点でタイムは2時間1分8秒。体感としてはもっと速いかと思っていた。できればこのままのペース、リズムでレースを作りたかったが、それも25kmまで。右の股間がおかしくなってからは、途端にスピードが落ちた。給水がこんなに恋しいのも珍しい。もしやと思って、手の甲を舐めてみる。滅茶苦茶に塩っからい。これはいかん!まだ17kmも残して、こんなに塩を吹いているなんて。完全に気温とペースを見誤ったようだ。29kmで一旦止まって、屈伸開脚をする。痛いのなんのって。右足の太ももを吊り上げる筋が連鎖でイカれてきているみたいだ。


30.6kmの折り返し。3時間3分。順調に落ちてきているな。顆粒のアミノ酸を飲んで気合いを入れるが、向かい風に負けてなかなか前へ進まない。34kmあたりで、再び止まる。歩くのも痛い。困ったな、これは。ただでさえ後方の順位なのに、こんなことをしていたら回収車に拾われてしまう。とぼとぼ歩くなんて、篠山マラソンじゃないと思っていたのに。私にとって篠山は質実剛健なレースで、なまっちょろい走りだけはしたくなかったはずなのに。悔しいというより、諦めが先立っている。36.3kmの給水所で、突っ立ったままの自分に、叱咤をできる自分がいなかったなんて、なんて哀しい…。


その後は1km歩いて1km走っての繰り返し。ラストの1.5kmはさすがに気張ったが、人目もあってほとんど演技のようなものだった。それを見透かされているようで、とても恥ずかしかった。しかし演技でもしながら走る以外に、何ができたのだろうか。歩き込みの完走でゴールをして、それでも悔しさなんか全然湧いてこない状態なのに。気温、身体のバイオリズム、ペース配分のミスなど、こうなったのにはいろんな原因が考えられる。一番大きいのは、篠山マラソンやコースに慣れてしまったことではないだろうか。私にとって、篠山マラソンは緊張しないレースになっていたのかもしれない。まだ5年前の走り始めの頃は、篠山は神聖な領域のレースだったはずなのに。


2月の走り込みでは、万全ではないにしろ、それなりにできた手応えがありました。30km走もこなせたし、悪くない感覚でした。たぶんレース2週間前のそのあたりが、調子のピークに来ていたのかもしれません。汗の多さも、暑さのせいだけではなかったかもしれません。私にとっての篠山マラソンは、今回をもって一旦終了にします。将来に新鮮な気持ちで戻って来られることを願って。


f0201561_957366.jpg
            添付されている画像の無断転用・使用を禁止いたします。
[PR]
今の時期はフルマラソン・レースが目白押しです。人気がある都市型メガレースはもちろん、地方のレースも工夫が凝らされていて、各大会が参加ランナーを取り合っていると感じます。私が昨日走ったおかやまマラソンは、数年後には当選倍率が4〜5倍に登る人気レースになるのではないでしょうか。いつもは自分のレース内容だけを報告する私ですが(笑)、今回は参加者目線を交えて書いてみたいと思います。あ、そうそう、一応結果を先に書いておくと、4時間22分00秒で3681位で完走しました。って、全体で参加が何人なのかがわからないのですが。(公称では4.5kmのファンランと合わせて、15000人の参加ということになっています。)


朝起きると雨。これまで8回フルマラソンに出場して、そのうち6回が雨だった私。「はれのくに」と言われる岡山にまで、雨を持ってきてしまったか…。ま、仕方ない、まずは朝食に。泊まったホテルの近くに吉野家があったので、早朝6時前から牛丼の特盛りと漬け物&みそ汁を食す。レース開始3時間前に食べ過ぎか?その後、スタート地点の会場へ向かう。パラパラ雨が降り出した。ジップアリーナに着いて驚いたのは、大会スタッフの多さ。しかも皆がチャキチャキと動く。これは事前に相当準備をしている。スタート15分前には大通りに出て、気分が盛り上がる。大会スペシャルアンバサダーの有森裕子さんも、興奮して挨拶で声がうわずっている(笑)。雨も上がった。さあ、スタート!


走り出して直後に感じたのは、路面が広く、状態の良いアスファルトであること。両脇の応援が多く、声がよく出ていること。市民が待っていた光景の中を、自分が走っている気がする。これはいいレースだ、そんな予感がする。全体図で見ると、高低差があるのは橋の前後だけで、他は平地を走れるようだ。岡山駅周辺の高層ビルの立ち並ぶ商業地区から、一路南へ進む。最初の4.6kmの給水地点で、スポーツドリンクを飲む。最初の大会だと、薄過ぎたり濃い過ぎたりがあると聞いたが、まずまずの濃度。周囲のランナーを見ると、初マラソンと見える人が多い。走る集団に、湧き立つような興奮の感情が流れているのがわかる。ああ、こういうの、久しぶりだ。なんてうれしい。


今回は右足に不安があって、もしかしたら棄権もあると覚悟していたので、最初から遅すぎるぐらいに押さえて入ったが、6km付近で不安個所に痛みが。やっぱりなあ。おまけにタオルハンカチを忘れてきたことに気がついた。この数日は気温・湿度ともに高かったから、汗が多いレースになると思っていたのに駄目じゃないか。9kmを越えて徐々に岡山市の郊外へ。身体も温もって調子が出てきた。足の痛みも思ったほどではないようだ。すぐそばの沿道で、老若男女が大きな声で応援してくれる。行けども行けども、こんなに熱心に応援が続く大会は初めてだ。よし、棄権なんか考えないで、走ってゆこう。


14kmあたりに、折り返しのランナーと擦れ違う地点がある。先頭はずっと前に行ってしまったみたい。ここまで走って関心するのは、給水地点300m前に、必ずその旨の表示があることと、仮設トイレの場所にも、次のトイレまでの距離が明示されていることだ。つまり先の情報をランナーに知らせて展開予想を立て易くしてくれる。トイレ情報に関しては、初めてだった。たぶん多くの大会の参加者の声を仕入れて、本番を迎えたと思われる。前方に橋が二本見える。右の橋が向かってゆくランナーたち、左の橋が向かってくるランナーたちで一杯。壮観だ。私らも岡山の人たちも、みんなが初めて見る景色なのだな。


18km手前で最初の折り返し。体調は悪くないが、やはり右足を庇って走る影響が出始めた。経験のない右腰が痛んできた。これは後半が厳しいな。後続とすれ違う中に、有森裕子さんの姿が。今までのレースで何度かお目にかかったが、走っている姿は初めてだ。とても苦しそうだ。たぶん久しぶりなのだろう。それに声援に応え過ぎ?もあるかな。21kmで右折。ここらは田園風景を走る。干拓地なのだろう。黄金色の世界を気持ちよく、と言いたいところだが、ハーフを2時間6分もかかってしんどい。シューズの中で靴下に違和感があると思ったら、右の人差し指が破れている!なにもこんな場面で破れなくていいのに、難儀なことだ。(笑)。


25kmでの計測。遅いことは遅いが、それなりに一定している。この時点で完走は間違いないと思った。おっ、給水所にきびだんごがあるじゃないか!美味しくいただく。さすがに桃やマスカットはなかったが。郊外の住宅地の大通りへ。立派な家が多いな。子どもたちの応援も圧があって、よく響いてくる。彼らは仮装ランナーが大好きだから、桃太郎の格好をしたランナーがこの日3人目でも、大喜びだ。28kmの給水地点で塩タブを食す。これは効く。ふくらはぎの張りが押さえられる。そして30km目前で、本レース最大の難関、岡南大橋へ。高低差17mを一気に駆け上がる。いや、キツい!しかし歩くのは、プライドが許してくれないから、もう大変(笑)。


岡南大橋からの眺めは最高だった。おおらかな県民性を伺うことができる、穏やかな世界が拡がっていた。橋を降りると一路北へ向かって、旭川沿いの土手を走る。土手の沿道にもたくさんの応援が続いて、走りながら感心した。こうも熱心に応援してもらうと、止めるに止められないレースだな(笑)。30km台は本当に苦しい。1kmが長い。右足の痛かった箇所も、もうよくわからない。負けないぐらい左足も痛い。34km付近で、農作業風のおっさんが、ポツンと手を上げていた。この日最初で最後のハイタッチをした。38kmあたりでは老人ホームの人たちが、車椅子で応援。お年寄りもランナーも、うれしそうな表情だ。いやあ、これはいい娯楽だ。


旭川を渡って、市街地へ戻ってきた。沿道の声援が一層大きくなった。場所によっては、自分が有名ランナーになったような錯覚がする。40km。あと2kmだ。もうちょっとだ。しかし、もっともっとこの声援のなかを走っていたい気がする。最後の大きなコーナーを曲がるときは、この日一番大きな歓声の中を走った。まるで箱根駅伝のアンカーが走っているような光景だった。ああ、幸せだ。こんな世界を私は今まで知らなかった。これだけの熱狂を中を走ったのは生まれて初めてだ。胸の中が熱くなってくる。そのまま最後まで、足の痛みも忘れて完走!あまりに楽しかったせいで、4時間22分があっという間だった。すばらしいレースだった。


大会関係者の入念な準備や、スタッフのホスピタリティ精神、応援の熱さなど、今回の第1回おかやまマラソンには、これまで走ったレースにない気の入り具合を感じました。初回ということで、良い意味での緊張があったのでしょうね。それは見事に大会を成功へ導いたと思います。数多くのブースも充実しており、岡山県とその周辺のポテンシャルの高さが発揮されていました。岡山って、いいところだなあと改めて感じられたのですから、参加した側も開催した側も相互に納得できた、素晴らしい大会だったというのが、私の印象です!


f0201561_11382868.jpg

[PR]
昨日、瀬戸内海に浮かぶ小豆島で開催された<第38回小豆島オリーブマラソン全国大会>のハーフマラソンの部に参加してしてきました(種目は5km、10km、ハーフマラソンの3種目)。記録は1時間49分21秒と、自己ベストには7分ほど及ばない凡庸なものでしたが、練習内容や本番の気温と湿度を考えると、私としては納得できるレースになりました。レース当日の天候に関しては、私は、雨というよりは土砂降り、台風、雷鳴、ゲリラ豪雨、みぞれ雨など、相当に恵まれた?ランナーです。この2014~2015シーズンも、既にフルマラソンで2回続けて雨でした。今回も事前の予想では雨だったのですが、25日は快晴になり、久しぶりに青空を見て走ることができました。なにか、それだけで、とても嬉しかったのです。


大会規模としたら5000人弱の参加者を見込んだ中規模レースだが、歴史はある。40年ほど前の自然災害で被害を受けた小豆島は、全国からの支援を受けた。その恩返しのひとつとしてレースが始まったそうで、大会名称の冠に伊達に全国大会と付いているのではないそうだ。予想では出発時点で気温20℃とのことだが、どう感じても25℃ほどには上がっているような。湿度に至っては90%超。これは手強い。

スタートしてすぐに驚いたのは、記録計測用のマットが敷かれていなかったこと。つまり、先頭ランナーがスタートしたグロスタイムしか記録されないので、実際の個々のランナーのネットタイムは計られていなかった。私としては初めてのことだ。う~ん、今のレースでこれでいいのか?まあ、いいとして、走った。しかしだ、右側走行というのは、これまた初めての経験。普段から左側走行に慣れているとはいえ、なんだろうか、この気色悪さは(笑)。

走っていると島だけに、規模ではない、内容にこだわった支援がされているのが、徐々にわかってきた。給水所がやたら多い。島の人たちの応援も、実に緩やかで「がんばれ!」というよりは「いってらっしゃい」のノリ。小刻みな坂が幾つかあるのと、道幅がそう広くないので、ランナーの足が交錯するシーンも目にした。このへんは、走って慣れていかないと。

実はG.W.明けからの練習が今ひとつ内容不足で、体重も予定よりも1kgオーバーと、自信がなかった。それだけに最初の4kmで感じた足の軽さのおかげで、気持ちまで軽くなった。このレースは、おそらく今まで私が参加してきた大会と比べて、出場平均年齢はグッと高い。周囲のランナーも年上が多い。アットホームな気質を妙に感じる。しかしレースはレースだ。目の前の道を黙々と走る。

8km過ぎから、コースは湾外沿いに半島へ向かう。映画『二十四の瞳』の舞台だった地である。本当はゆっくり映画の感慨に浸りながら走りたいものだが、如何せんそんな余裕のあるランナーではないので、どこを走ってもセカセカと焦っている(笑)。11km付近で、走力が同じか、少し上ぐらいの人を見つけたので、ひたすら後を追いながら進む。ちなみに女性で、フォームも美しい人だった。やる気というのは、自ら作るものなのだなあと実感した。

20分ほどそのランナーと同席したが、やはり地力が違ったみたいで、折り返し地点15kmで軽く引き離された。そこは映画関連の観光スポットで、もちろんデコちゃんこと高峰秀子さんの大きな笑顔も、私を待ってくれていた。いや〜、こんなリゾートなレースは初めてです。そろそろ気合いを入れ直して、終盤へ。16kmあたりから徐々にペースを上げる。給水が上手くいって、気温ほどにへばっていないみたいだ。

残り3kmからは更にアップ。競輪競馬競艇風に言うと、どんどん「まくる」時間。ここまで少し体力を温存し過ぎた感があったので、それなら全部使ってしまおう!ということで、ラストの坂道〜直線では、一旦抜かしたのに抜き返してきた数人の若いのを生け贄に、意地のダッシュで再度抜き返して、息も荒くハァハァとそのままゴール。振り返ると、若いのは随分後ろからやってきた。う〜ん、もうちょっと張り合ってくれよ。紫外線もかなり厳しくなってきた正午前のゴールインだった。

約一年振りのハーフマラソンは、正直言って気合いが足りていませんでした。どうしてもフルマラソンと比較してしまう。フルだとここからが本番という時にハーフは終わってしまうので、旅行で言うと日帰りみたいな感じがします(一方のフルは0泊二日感覚かな)。レース後の小豆島名物冷やしそうめんの食べ放題は、昇天する美味しさでした。水やスポーツドリンクを飲むよりも、よっぽど喉が喜びましたよ。

f0201561_18553998.jpg

[PR]
昨日、第35回篠山ABCマラソンを走ってきました。8回目のフルマラソンですが、今まで最も寒かったレースでした。気温だけなら、3年前の篠山マラソンの方がもっと低かったはずですが、何しろ今回は朝家を出てるときから、帰りの電車に乗るまで、延々と雨、雨、雨。おまけにレース中に山から吹く強烈な寒風をまともに受けながら走っていたので、体が完全に凍ってしまいました。タイムは暫定で4時間27分8秒と奮わずでしたが、あの過酷な自然条件のなかを走って、風邪もひかず生きて帰ってこれただけでも、私としたら成功の部類かもしれません。

スタート前で気温6.1℃。雨が切れ間なく降る。薄着のランニングウエアでの待機時間が30分以上になり、スタート前ですっかり凍えてしまった。事前準備の怠り大ありだな。走り出すも、一から身体を温め直す時間が必要で、実際にレースらしき調子になったのは3kmを過ぎてから。17分20秒は少し遅いな。手足の指先が温もってきたのはいいが、さっそく尿意を感じる。出走前にしっかり行ったのになあ。我慢して走ると、気が漫ろになる性格なので、さっそく畑へ入って一回目の放出を。(本当は仮設トイレ以外では出してはいけないのですが。)

10km通過タイムもすれすれで1時間を切る程度。やっぱり冷え過ぎたかなあ。ここで二度目の野尿。どんどん時間をロスする。事前の体調としたら、今までのレースで一番よい準備が出来ていて、4時間切りに最も近いところにいたと思う。もし好天だったら、と思わないこともないが、生理現象や天候など、なかなかコントロールが難しいこともあるのがフルマラソンだ。14km付近で早くも3回目の放尿。あまりによく出るので、給水を押さえるべきかと悩む。体調には何も問題がない。痛い箇所もどこにもない。ああ、本当は調子がいいのだ!

18kmぐらいだったろうか。朝日放送の取材で、ゲストの芸能人ランナーが走っていて、彼が名物鍋をすする地点があった。そこで取材班を載せた軽トラックが道を塞ぐ形になり、一瞬ランナーが渋滞に。一般のランナーの走路を無視したやり方に腹が立った。本意でない自分の走りに、気が立っていたこともあっただろうが。20km手前の竹やぶで4回目の膀胱救済。これだけ立ち止まっていると、レース感がおかしくなってくる。ハーフ地点を迎えても、さしてしんどくないが、寒さは一段と厳しくなってきた。

25km付近から山間へ入ってゆくと、雨が強くなり、そこへこれぞ寒風という向かい風が容赦なく吹き付けてくる。手の指は寒さで感覚が無くなって、握ったまま関節が固まり開くこともできない。足の感覚も、膝あたりが徐々におかしくなってきた。26km付近の道ばたで、何やら大勢の人が取り囲んでいる。地面に横たわったランナーが人工呼吸の処方を受けていた。その肌の色はかなり青白い。おそらく低体温症だ。このきつい風と雨でエネルギー消費が補給を上回ったのではないか。間違いなくこれまで走った中で、最も過酷な条件のレースだ。

30kmの折り返しで、それまで向かい風だった風向きが変わると思っていたら、その後も向かい風。どういうことだろう?寒くて耳がちぎれそうだ。手の甲や、胸は感覚が消えてきた。32km。残り10kmで5回目のナニを。練習の時よりも27分も遅いのか。何が悔しいといって、自分と勝負できないことがたまらない。息が詰まるような苦しい状態で、もがいてもがいて峠を越す、あの生の喜びを味わう機会が、このレースでは完全に失われている。トレーニングがしっかりできていただけに、本当に悔しい。せめて残り10kmで、走り甲斐を何か捕まえたい!

36km。昨年はここでゲストの有森裕子さんが仁王立ちしていたが、今年は彼女はインフルエンザで欠席。全く今年の篠山はどうなっているんだか(苦笑)。上半身が疲れがいつもより少ないのは練習の成果か。下半身は寒さでいつもの熱疲労は少ないようだ。そのぶん、正面の膝〜太ももは凍え切って完全に固まっている。39kmからはさすがに厳しくなってきた。左の股間に電気が走り、膝が持ち上がらない。乳首も濡れたウエアーが擦れて、じんわり痛くなってきた。タイムもよくわからないまま、最後まで走ってなんとかゴール。その後が大変だった。

ゴールしても雨は降り続く。着替える場所まで、もう歩けない。仕方ないので雨の中、濡れたまま上からスウエットを着込むが、むちゃくちゃ気色悪い。暖かいはずもない。とにかく何か胃袋に入れねば風邪をひきそうだ。全身かじかんだまま、近くの洋食屋へよろけて入り、ハンバーグセットのライス大を。指が動かないので、スプーンを握って食べる。すぐに体内で燃えている。ああ、身体はこれを欲していたんだ…。濡れたままでは寒かろうと、JRの車椅子用トイレで素早く裸になって着替えて、ようやく生きた心地がしてきた。

今大会は8264人の参加で完走者は6467人。いつもよりも完走率が低いのでは?そのくらいの条件だったのでしょう。私も記録へのこだわりで練習をしてきましたが、昨日のレースに関しては、無事帰って来れてよかったと感じています。帰宅後湯船につかって、両乳首とその付近が真っ赤に擦れていて、思わず悲鳴を上げましたが(本当に痛い!…笑)。そして夜中にふと目が覚めたのです。暖かい布団の中で安堵のため息が出ました。こんなことは走り出して初めてです。人は寒いと不安になり、暖かくなると落ち着く生き物なのですね。学ぶことが多いわ、マラソンって…。

f0201561_118656.jpg
この地味な光景。まさに篠山マラソンです。華やかなユニフォームの色も打ち消される、水墨画のような白黒の世界に染め抜かれた、世にも珍しいマラソンコースです。
[PR]
一昨日の日曜日に、第18回大阪・淀川市民マラソンに出場しました。完走はしたものの、タイムは4時間23分17秒(6190人中1567位)と凡庸で、内容もさっぱり。実にぬるいレースをしてしまったと反省しかりです。走っていて、深く走れている感じがしないレースでした。42.195kmの長さを、ただ消化しただけのような走後感覚が残っています。山も谷もない(笑)。こういうのは7回フルマラソンを走って初めてです。

当日の最高気温は24℃、湿度は90%以上。11月頭でこの悪コンディションはないだろう、と嘆いても仕方ないが、走りもしないスタートの時点でもう汗が出る。給水が大切と、ゲストの高橋尚子も連呼する中、出走。最初の1kmは6分。その次が5分50秒。その次が5分40秒。このあたりのペースを守ろう。5km前の給水でスポーツドリンクを飲む。薄っ!濃過ぎるのはダメだが、これ、薄過ぎやしないか?

この大会で一番気になるのは、路面のコンディション。アスファルトから濡れた泥土まみれの芝生に入ると、砂場を走っているような走り難さを感じる。しかも前日は雨。いい具合にぬかるんでいる(笑)。嫌やなあ~と思いながら進む。8kmで汗まみれに。数年前に沖縄で走った時に近い発汗状態だ。厳しい。10.5kmで折り返す。1/4で1時間1分弱。おお、案外いいペース。

13kmの辺りでお小水を。トイレでなく、茂みへ駆け込む。おかしいなあ、スタート直前にも行ったのになあ。約40秒で戻ったが、もったいない。コースに戻ると、すぐ前をゆくおじさんが、いいリズムで走っている。スピードももってこい。これはいい先導役を見つけたものだ。しばらくこの人についてゆこう。17km前の給水。今年は珍しくスポーツドリンクが置いてあるんだな。去年はほぼ見当たらなかったが。

おじさん、結構練習をしているようだ。フォームが安定しているし、水たまりを避けて走るコース取りが上手い。いいぞ。ちょうど中間地点でタイムは2時間2分少々。今回も4時間切りはどうやら無理か。8月に悪い姿勢のままで作業をしていて、腰を痛めた。それがそのまま練習不足に繋がり、サブフォー(4時間未満)は厳しいと踏んでいた。全くもって、練習は嘘をつかないものだ。

22kmを越えた辺りで向かい風が強くなってきた。幾分体感温度は下がるも、キャップが飛びそうなくらいの風は面倒だ。25km。徐々に右太ももの裏が痛くなってきた。ここからが本番だな。ながらく引っ張ってきてもらったおじさんも、どうも足に難があるらしい。左右にぶれ出したと思ったら、後方へ消え去った。さようなら。またそのうち会えるでしょう。

淀川を渡って28kmに差し掛かると、両膝周りの筋肉がかなりおかしくなってきた。膝はまだ保つはずなのに。たぶん泥芝コースの上を走って消耗したからだろう。普段アスファルトしか走っていない者にとって、あのぬかるみの中を走るのは厳しいっすよ。阪急の高架を潜り、一路塚本へ走る。31.5kmの折り返し地点では3時間7分半。そろそろ遅れ始めたな。

戻りの給水所でアンパンの支給。ここがひとつの楽しみだった。やっぱり甘いなあ、あんぱん。少し歩きながら食べた。これがよくなかった。歩くと楽、走るとしんどい。まだ10km弱の距離を残して、体が要らぬ楽園を知ってしまったからだ。再度走り始めるも、次に歩くことばかり考えに入ってしまって、結局2kmほど走っては200mほど歩く。一番情けないレース展開に陥ってしまった。

37km付近でお尻と太ももの境目あたりが無茶苦茶に痛くなってきた。それも両方。なんだ、これは?聞いたことがないぞ。無理でも粘って走るのが持ち味なのに、さっぱり粘れない。そういえば、背中も痛い。右太ももの後ろ側はそろそろオーバーヒート気味だ。もしかしたら体の後ろ側全部が弱いのだろうか。走ると歩くの繰り返しでなんとか凌ぐが、望んだ展開からどんどん離れてゆく。

39km。ゴールが遠い。この距離で走る砂利道のしんどいこと!アスファルトって本当に偉大だ。41km。もう終わりにしてくれ、と叶わぬ願いを抱きながら走ると、高橋尚子が路面に。ハイタッチだけはする元気がある自分に呆れる。やっぱり心構えがぬるい。結局ラスト10.5kmは1時間16分ほどかかって、やっとゴール。なんと中途半端なレース!腹も立たないほど、宙ぶらりんな気持ちだ。

その後、一息ついてから、シューズを脱ごうとして足を見て驚いた。膝から下が両足とも白い。強烈に塩が吹き出していた。顔の頬も触ると、塩でザラリ。気温と高い湿気に体が苦しんでいたことの証だった。走り終わった主体の意識は不本意だが、体の困り果てた様を見ると、私の中でのバランスが崩れているのがわかる。次のレースへ向けて、真っ先に修繕すべきなのは、こいつだ…。

f0201561_13003996.jpg




















[PR]
プロ野球は今日からクライマックスシリーズ(CS)が始まります。私はどうも古くさい体質のファンらしく、未だにこのプレーオフのCSには馴染めません。その辺のことを日記No.275<野次争論:パ・リーグ3位と日本一と>に書いているので、右のカテゴリの野次争論をクリックして一度読んでみて下さい。

今年も巨人に7ゲームからの大差をつけられた阪神や広島、オリックスとソフトバンクに6.5ゲーム差の日本ハムが下克上を目指してCSを戦いますが、これだけ引き離されてシーズンを終えたチームが日本一になるチャンスがまだ残っている矛盾は、普通に考えれば野球チームの強さを表わすことができない制度といえます。シーズン終了時に1位である価値は、CSによっていとも簡単に失われます。それが了解されたかのようにまかり通っている背景には、NPBとその周辺の様々な思惑が働いているのでしょう。何にしてもグレーゾーンがあまりにも幅を利かせ過ぎたシステムです。

しかし間違った制度の楽しみ方というのはあるもので、セ・パともシーズン3位のチームが勝ち上がってくれないものかと毎年願ってしまいます。現実にはなかなかそうはいかないようですが、2010年のロッテのようなチームが頻繁に出るようになると、CSの意義自体が問われる気がするのですが。

今年は巨人とソフトバンクはメガクラスの補強でシーズン1位には順当の感がありますが、オリックスが首位とゲーム差なしで2位に入ったのは評価できます。実はこの春に一度だけ京セラドームへ観戦に行ったのですが、それまでオールラウンドに戦力が完備されているとは知らなかったので、ゲームを見てとても驚いたものです。10月2日の大一番の勝負に敗れても、森脇監督が負けたとは思っていない旨の談話もあり、今年のCSの主役がオリックスになる可能性は大いにあります。

強者でありながら2位に甘んじたオリックス。1位ながらCSには滅法弱いソフトバンク。この両者の対決が実現すれば、かなりおもしろいことになるでしょう。一方セ・リーグも侮れない。こちらもCSにはとことん弱い阪神が意外と戦力的に充実している現状を見ると、阪神VSオリックスの西日本シリーズになるケースがあるかもしれません。両チームともCSがなければ今シーズンはもう終わっていたはずです。矛盾した制度に上手く乗っかったチームが日本一になる、そんなプレーオフの予感がします。
さあ、今年もCSの始まりだ!

f0201561_12311750.jpeg
ハードワークを要求される遊撃手では史上初の3年連続でフルイニング出場、しかも今年は自身過去最高の打率.313と出塁率.406をマークした鳥谷。日本最高の遊撃手の膝の具合はどうなのかが注目される。























[PR]
今日はちょっとランニングの話しを。

今日の午後、ひと雨来る前に走りに出ました。気温はたぶん27℃前後、湿度は滅法高かった。それでもいつもの酷暑の条件と比べれば、格段に楽でした。

台風前日ということでか、ほとんど人気もなく、強風で樹々が騒がしい緑地公園。空は怪しい雲に変わりつつある。こんな日の夕刻は、子どもの頃から心がざわつきます。

走り出して、新しいランニングフォームにトライしてから、初めて納得していることに気付きました。人が見ても以前とどこがどう違うかなんて、わからない程度の小さな変化ですが、今日は思いのほか身体に馴染んでいると知って安心しました。

10kmを過ぎるあたりで、隣接する野外音楽堂のライブが耳に入ってきました。ライブというよりも長いお喋り。ひな壇芸人もジャニーズもロックバンドも、みんな似たような喋り口調になるのですね。走りながらでも、結構芸事に批判的なんです(笑)。

ポカリスウェットと水をいつも持参しています。ポカリスウェットはあまり濃くないものをこまめに補給します。水分補給と汗止めに効果があります。今日は減りが遅い。そんなに飲まなくても大丈夫でした。16kmぐらいで口の中がポカリの味に支配されたような感じがして、ちょっと塩っけのあるものが欲しくなりました。が、ありません。そんなときは空想です。今日は塩昆布を口一杯に詰め込みながら走るイメージでした。

いつもの暑さなら16kmあたりで退散するのですが、午後6時ぐらいになると気温も少し落ちてきて、良いコンディションになってきたので、もっと走ることにしました。相変わらず風は強いです。どこをどう走っても、全部向かい風になるようで。こういうときには、ランニングは人生に似ているなあと感じます。

誰もいなくなった公園をズンズン走りました。19kmぐらいで頭の中の悪い奴が「もう帰ろうぜ」と声をかけてきました。こいつはレースのときになると必ず出てきます。久しぶりに会ったので「いや、今日はもうちょっと行く」と無下に断わりました。珍しく大人しく引き下がったリロイ・ブラウン。結局22kmでタイムアウト。終了。

走り終わると同時に、強烈な空腹がやってきました。これが私は一番苦手です。早く晩ご飯にありつかないと。クールダウンをして、家路を急ぎました。台風がもうそこまで来ているような風です。

今日は苦手な時期としては珍しく、いい練習が出来ました。おしまい。

f0201561_22305122.jpeg
            添付されている画像の無断転用・使用を禁止いたします。





















[PR]