<   2017年 05月 ( 6 )   > この月の画像一覧

街中で根無し草のようなインバウンドの旅人に時々出会う。すれ違った後、必ず振り返ってしまう。旅をする人はかっこいいなと思う。団体さんとかお買い物ツアー客はそうは思わないが、わけあって旅に出ましたと背中のリュックが物語っているような人は、後ろ姿だけで痺れてしまう。同じ旅人でも匂わせるものは確実に違う。似たようなことが、旅をしているわけではないのに、旅を感じさせる人にも当てはまると思う。


いるのです、そういう人が。ずっと前から近くにいるのに、たぶんそのうち、ふらっとどこかへ消えていなくなるんだろうなと思える人。実際に旅をしていなくても、日頃から居場所を捜してトリップしているような人。どこへも行かず動かず、居場所の変化さえ好まない人(私だ!)とは明らかに違う、放浪者のような意識を醸し出す人。そんな類いの人もまた旅人だ。あてのない人生を旅するように生きている。


旅人はかっこいい。私も風来坊のような旅に出たい。
けど日帰りしてしまうだろうから、それではかっこわるいよな。

f0201561_13064806.jpeg
添付されている画像の無断転用・使用を禁止いたします。





















[PR]

人待ち、便り待ち、電話待ち、メール待ち、アイデア待ち、考えてみたら待つことが私の毎日ですというくらい、待つ機会ってよくあるものですね。待つことは時間がかかります。今の生活から待ち時間を消し去ったら、どうなるんだろう。待っている間、気にしながらも別なことをしようとして、知らず知らずに消耗します。待つことはストレスなんだろうか。待つことで失われるものがあるのだったら、待つことは無駄なのだろうか。何かがやってくるのを待つ。ただ待つ。他には何もしない。それはやってはいけないことかな。


「雨降りシトシト」

f0201561_12160993.jpg
               

「キラ星の群れ」

f0201561_12162661.jpg
             

「ビルビルビル」

f0201561_12165252.jpg
                

「彫る景色」

f0201561_12171356.jpg
    

「呑み仲間」

f0201561_12173913.jpg
       

「The Year Of The Snake」

f0201561_12180242.jpg
               

「きみは現地の人になった」

f0201561_12182411.jpg
            

「増殖工場」

f0201561_12184159.jpg
    

「防空壕からずっと」

f0201561_12190897.jpg
                  

「ナマコは海の底で光っていた」

f0201561_12193445.jpg
             

「温かい雨」

f0201561_12195734.jpg
               

「入り江」

f0201561_12202273.jpg
             

「俺は好きな赤(後編)」 

f0201561_12205075.jpg
       

「タジさんのランチョンマット1」

f0201561_12212044.jpg
                 

「噛みつく理由」
f0201561_12215014.jpg
           添付されている画像の無断転用・使用を禁止いたします。





















[PR]

先週初対面の方から趣味は何ですかと聞かれ、ひと呼吸置いて「読書です」と答えた私。先月このブログで読書に帰りたい心境を書いたからではないのですが、このところ一日の中で密度と純度が最も高い時間は読書をしているときだと感じます。集中力も想像力もなかなかのものだと思います。先月は大好きなサマセット・モームの短編集や、懐かしや松本清張・水上勉の作品に浸りましたよ。読んでいる最中に場面の絵が鮮明に浮かんでくると、私は物語の中に入っている状態で、それは小説を最高に楽しんでいる証だと思います。あ、本当はそれが絵を描いているときだといいのですが、現実にはそうもいかなくて(笑)。


文字を追いかけているときに、頭の中で様々な場面の映像が流れてくるのは、いったいどういうわけなんだろう。文字は形はあっても画としては弱い。文字が集まって表現された状況が、読者のなかに映像を呼び起こすのはわかるのですが、誰もどこにもそんなことをしろと書いていないのに、何も言われなくても自然と想像して住み込んでしまうのは、文字と脳の間に何か決まりきった関係性があるからなのでしょうね。落語や音楽、匂いや気配にも当てはまると思います。


与えられた触媒を元手にして、いい大人が自由気ままに空想する様はどこか危なっかしいです。一服やっていると思われたりして!読書体験が生む空想は、生々しい人物像や果てのない舞台美術となって、手のひらの上から外界へ大股で飛び出してゆき…これを娯楽と呼ばずして何と名付けられましょう。冒頭の、私に質問を投げかけた初対面の方と、「読書です」と答えた瞬間に目が合ったのです。この人、きっと読書が大好きなのだと直感しました。まるで遊びに誘う子どもの眼差しを感じましたから。あの人が本を読んでいるときの眼差しはどんなだろう?イマジネーションに後押しされる瞳には、どんな世界が映っているのだろう。    

f0201561_13162395.jpeg
添付されている画像の無断転用・使用を禁止いたします。





















[PR]

NHKの連続テレビ小説『ひよっこ』を見ています。1960年代の東京を舞台に、集団就職で上京した“金の卵” ヒロイン・谷田部みね子の成長物語です。とあるコラムに泣き所満載のドラマと書いてありましたが、この二日は評価通り泣きました(笑)。「どこに泣くところなんかあるんだ?」と思う人もいるでしょう。私にとってのキーワードは<社員寮>です。


高度経済成長期の活力ある市井の人々を核に据え、健気な生活を追うドラマは平成の世に受け入れられやすいのか、連ドラでも映画でもよく引っかかるネタです。『ひよっこ』はまさにそのもの。懐かしさ一杯に見ている人もいるでしょうが、私がターン・オンしたのは親元を離れて就職に出て社員寮に入るという設定です。


時代は違えど、私も大学を出て就職したときの住まいは会社の寮でした。入った当時は70人ぐらいいたと思う。5年までは在寮できたのですが、なぜか6年目を過ぎた人もいました。右も左もわからず世慣れしていない男は、職場でも寮でも戸惑ってばかりでした。テレビの中のみね子の波打つ心情は、まるで昨日の自分のようです。


会社の上司は「寮住まいは半人前」だとか「出稼ぎ労働者の格安ドヤ」だとかもう言いたい放題でしたが(笑)、実際のところ寮生活は楽しかったのです。会社で嫌なことあっても、毎日同じような環境の仲間と話せることで、随分救われたものです。休みの日も一緒に出かけたりして、ほとんどドラマと同じようなものでした。


若い人が親元から職場に通うのと、寮生活を送るのとでは、過ごした時間の根っこに残るものが多少違うと思う。私が過ごした5年間の寮生活が、そのまま自宅での生活に入れ替わっていたら、『ひよっこ』を見ていて、今こんなに胸がいっぱいになりはしないでしょう。寮での毎日には、喜怒哀楽や感情の起伏が目一杯詰まっていましたから。


そういえば去年の個展に、当時の同期入社した友人が来てくれました。彼も寮の仲間で、今や勤続三十数年のベテラン社員になっていました。もう数年経てば定年なんですね。びっくりしてしまいます。なんでもこの春に同期の出世頭が、遂に会社役員になったそうです。話しを聞いて懐かしいのを通り越して、ちょっとしたSF映画のストーリーを追いかけているような気持ちでしたよ。


『ひよっこ』のみね子が寮を出るとき、彼女はどんな気持ちでいるのか、今から楽しみです。そのとき、私はきっと自分が寮を出たときの春の情景を想い出すんだろうな。   

f0201561_16335843.jpg
添付されている画像の無断転用・使用を禁止いたします。





















[PR]

G.W.の間はいつものようにネットと接触していなくて、当ブログも一昨日まではお休みのようなものでした。常々思うのですが、更新されていないブログというのは、人の住んでいない蜘蛛の巣が張った家みたいな気がします。バーチャルな世界であるにもかかわらず、定期的に更新されていないと人や生活の気配が消えてしまうものなのですね。不思議だ。


現実の家は人が住まないと傷みが早いといいますが、案外ブログやHPも同じようなことが感じられるのではないでしょうか。ネットをウロウロしていると、時々、誰も書かなくなった難破船のようなブログに出会うことがあります。画面がどこか埃っぽく、息の出入りや体温が失せている。場に生気が感じられないのです。


私は日記を更新することで自分の血や汗の入れ替えをしていたい。日光や雨風を受けていたい。今回のような5年も昔の日記のリメイクであったとしても、です。閉め切った押し入れや、日の差し込まないジメリした畳のようなブログは勘弁願いたいです。たぶんその欲求こそが、私の気分転換の本質だと考えます。やっぱり家には住む人がいないと。ああ、そうか、ここは我が家だったんだ!


(*日記No.477 2012年4月11日掲載のリメイクです。)  


f0201561_13125665.jpeg
添付されている画像の無断転用・使用を禁止いたします。





















[PR]

報告が遅くなりました。

4月21日(金)から始まっていた雑貨店おやつさんでの展示が、先日5月3日をもって無事終了しました。お越しいただいたみなさん、どうもありがとうございました。なお「読んで作って遊ぶ 本と紙」は5月5日(金)より後半に入っており、イラストレーターの石田敦子さんの展示が5月17日(水)まで続きますので、是非足を運んでいただけるとうれしいです。(5月11日はお休みです。)


店主トノイケミキさんとは20年ほど前からの知り合いで、今回初めて展示やトークイベントという形で御一緒させてもらいました。搬入搬出の折には、久しぶりにいろいろお喋りができて楽しかったです。彼女の新しい本『雑貨店おやつへようこそ』は、この10年ほどの間にどんなことに心砕いてお店を立ち上げてきたのかが、克明に記されています。成長すること、学ぶことが本当に好きな人です。読んでいて感心しました。みなさんも是非読んでみて下さいね。


f0201561_23175081.jpg
『雑貨店おやつへようこそ』¥1,400+税
著・トノイケ ミキ
西日本出版社





















[PR]