ひとつ事しかできない人には、住みづらい世の中です。先日ある食堂で、いかにもの新米君が給仕をしており、注文は憶えきれないわ、食器は手早く片付けられないわ、レジはさっぱり出来ないわ、お客さんだけでなく店の人からも大声で罵倒されていて、見ていて辛い光景でした。たぶん、彼は一度に多くのことをこなすのが苦手なのです。


自慢ではないのですが、私もその新米君に負けないぐらいひとつ事のみで一杯いっぱいになる人です。交差点の真ん中で行き交う車を自由自在に流したり止めたりするように、一度に幾つもの作業を同時進行させられる人がいます。私から見たらとんでもない才能です。頭のどこにそれだけの部屋があるのか、整理はいつできるのか、見当もつきません。


そんな自分が哀れだとかは、そんなには思いません(時々がっかりはしますが…笑)。人それぞれの特性や持ち味が100%生かせる世の中であれば、誰も文句を言ったりしないし、見ていて辛い光景も現れたりしないでしょう。でもそんな世の中は今も昔も、世界のどこにもないのです。元々住みづらい世の中なのです。


そう知って私たちは学校へゆき、職につき、死んでゆくのです。あれもこれもはできない。ひとつの事しかできない。それでいいじゃないか。明日は少し良くなって、明後日はもう少し良くなるかもしれない。ひとつ事がちゃんとできなくて、どうして次へ行けるだろう。そう思って絵を描いていたら、いつまで経っても次へ行けない人になっていました。


新米君、がんばれ。
頭を上げて胸を張って。
ひとつひとつ憶えるんだ。
ひとつ事を、大切に。


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今年二回目のグループ展のお知らせです。
9月1日(火)~9月12日(土)まで、
ギャラリーびー玉さんで好きな曲に絵をつける企画に参加します。
未発表の一点のみですが、このブログをご覧下さるみなさんもよくご存知の絵です(笑)。


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ギャラリーびー玉
<わたしの好きな曲展>

9月1日(火)~9月12日(土)
火~金    
13:00~20:00
土・日・最終 
13:00~18:00
*7日(月)休み

誰にでもある思い出の曲、歌をそれぞれが描きます。コラージュの石田元はやっぱりロックでしょうか、R&Bが似合う中川洋典、ほのぼの系の杉本あかりは「たま」らしいです。音楽家の鈴木知子はこのテーマならではの出展でわくわくします。NYからは、ボブ・ディラン大好きのバーナード・ザロン。彼はディランのHPにも作品をよせています。17歳の今をジャニスに重ねて描くKOTOMI。その他、粟野秀一、粟津謙太郎、NAG、ブレンダ・バーグマン、Michiko、縫采徹、上山榮子。
~ギャラリーびー玉HPより~
(http://www2.odn.ne.jp/bi-damas/index.html)
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そうか、私はR&Bが似合うのか…うれしいねぇ(笑)。
それじゃ、まってるぜ、ブラザーズ&シスターズ!

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お盆休みは今日までのところが多いでしょうね。
私は一日だけお墓参りで過ごしましたが、
後はずっとコジコジと絵を描いていました。
出逢う人も少なく、籠りっぱなしだったので、
髭が思いっきり伸び放題です。
明日からは世の中の会社も仕事再開でしょうし、
私もすっきり剃りたいと思います。


私の場合、髭が伸びると、気分が次のどれかになります。
1.野性的な冒険家
2.小難しい芸術家
3.悩める病人
4.ただダラケている人


で、鏡で自分の顔を見ると、
どう見ても4にしか見えない(笑)。
世間様がゆっくり休んでいる時に、コツコツやっているのに、
それはないやろう!


髭の似合う人、羨ましいなあ。
私の描く男性に髭面がやたら多いのは、あれって、憧れなんだわ。


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熱狂にはハレもあればケもある。心の奥底で静かに燃えるロウソクの蒼い炎のような熱狂。大人しいが、逆に不気味で物騒。一皮むけば何が出て来るのかわからない、そんな熱狂。憧れること限り無しである。しかしそれを描いたことがないので、依然憧れのままだ。


人通りのない商店街から一歩裏へ入ると、路上に商品が山積みされた迷路のような細い路地が無数に拡がる、無秩序で非合法な世界。交わす言葉や匂いは判別不可能で、運が悪ければ外界に戻れなくなる。こんな厳かで静かな熱狂にこそ出逢いたいものだ。


熱狂にはある種の人を惹き付ける力があり、ある種の人を遠ざける力がある。熱狂に肌が合う人種にはきっと見えるのだ。熱狂が拡散の隣合わせにあることが。だから散らばって消えてしまう前に、体感したいのだろう。そうか、熱狂とは儚い美意識のことなんだな…

    
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熱狂という言葉を思い浮べる時、そこには同義語のように「密集」という文字が必ず同席してしまう。なんでだろう。お弁当の中味が美味しそうにギュウギュウに詰まった様には興奮したり熱狂を感じるけれど、スカスカのノリ弁当には寂しさしか感じない。これでは説明になっていないか…。


何かがギッシリ詰め込まれた様子には、何かしらエネルギーがある。摩擦を伴う熱を感じる。押し合っているもの同士の反発力を想像する。それらを絵にすると考えた時に、自分の痕跡をそこら中に残せる快感を確信する。これがいいのだ、これが。密集って、暑苦しくて見苦しくて、本当に好きだ。


偏見に違いないが、スマートで洗練されていてオシャレな表現には、この密集というやつは、あまり適してはいないと思う。どちらかというと、土着的なパワーや宗教的な力強さや、悪趣味の権化なんかによく似合う。プリミティヴな要素が増殖するように群がる状態。これぞ熱狂だ。ああ、惹かれるなあ!


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