162 <ケチな時間の使い方>
会社に勤めていた頃は、会社で思いついたアイデアばかりを絵にしていました。仕事の最中に、ポロッと浮かんだら、すぐにメモ帳に走り書きを残しておき、帰宅してからよくわかるように具体化して、という風に。制作時間に大きな制限があったせいで、悠長に構えていられず、次から次へと絵を吐き出していたものです。あれはあれで有意義でした。少なくとも、ケチな時間の使い方ではなかったです。
こんな週末もありました。金曜日の夜に仕事から帰ってきて、食事とお風呂を済ませてから、B5ぐらいの小さな絵を描き始めて、気がついたら日曜日の深夜になっていました。その間中、私はずっとB5の狭い世界の中で生活していた実感がありました。せっかくのお休みに、どこへもゆくことなく、小さな紙の上で絵の具を走らせて月曜日の朝を迎えたわけです。なんて豪勢な時間の使い方だろうと思います。
今とその頃とで、どちらがどうだと比べることもできないでしょうが、自分自身に対して、使った時間の印象を良くしたい気持ちは変わらないのでは。休み明けの月曜日の朝、絵を描くだけ描いたと納得して通勤するのは、ちょっとした達成感がありました。回りの誰も知らない、私だけが知っている納得した時間だったことでしょう。よっしゃ!あの気持ちを、引っぱり戻すぞっ!
畑仕事は今日のような雨の日は、想像を越える厳しさだろうと思います。日がな一日家の中でウダウダ言いながら絵を描いている我が身は、なんとも生ぬるいものです。どうぞ体調には充分に注意して下さいませ。