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204 <6月のある一日>

午前6時起床。いい天気だ。夏の本格的な暑さがもうすぐやってくる気配がする。朝ご飯は梅干し入りのおにぎり2つとお味噌汁、それにカフェオレ。毎日食べているのに不思議と飽きない。お米とかお味噌とかコーヒーは偉大だ。朝のテレビ番組でW杯のコーナーを見る。今日は日本代表が登場するのか…。


8時から個展の絵を描く。あと何枚かは必要。果たして間に合うのだろうか。最近個展前にこんな調子が多くて、どうも自分らしくないと思う。実家から電話あり。情報整理の下手な母親なので、何を言っているのかさっぱりわからない。聞けば聞くほどこちらまで未整理感に捕われる。年は取りたくないものだ。


お昼前にストレッチを40分。湿気が高いと思ったら、空が曇ってきた。買い物へ出て乳製品類を買う。ついでにお昼ごはんのお弁当も。最近のお弁当は種類は豊富だが、中身は幼児化していると感じる。讃岐うどんと合わせて食す。我ながら超アルデンテな茹で具合に、最後の方はあごがだるくなった。


パソコンをチェックしてからミーティングの為大阪市内へ。2年振りに会うMさん、1年振りに会うKさん、お二人とも笑顔笑顔。いいなあ、明るくてシャキッとしていて、大好き。社内の別なお二人とも初対面。絵を描いているのがどんな人か見たかったとのこと。わしゃ、珍獣か?!


夕方、堀江のギャラリーART HOUSEさんへ『えかきむしのきもち』を納品。領収書も請求書も忘れていた…。店内で飛ぶ鳥を落とす勢いの若手イラストレーター中川貴雄君に会う。新婚旅行から帰ったばかりで、どこかアラブの香りがする。いいなあ。こっちの中川は死んだ鳥でも拾いにゆこうか。


お次ぎは15分ほど歩いて画材店へ。額を物色する。ちょこっと話しをして、別な画材店へ。店員さん兼絵本作家さんの松田さんに会う。最初に会った頃と比べると、人間性が随分筋肉質になっている。おねえさんになったものだ。こちらはいつまで経っても粗野なまま。未開人はつらいよ。


18:00帰宅。汗が吹き出る。家事をする最中も、翌日の作業準備をする最中も、じっとり汗ばむ。朝起きた時はあんなに気持ちよかったのに。夕食はアジの開きの干物と、茄子の油煮、それにお味噌汁。梅干しもガンガン食べる。早く身体が亜熱帯性動物に変わってくれないかな。


20:30からオランダvsデンマーク戦を見る。こ、こんなのとやるのか…両チームとも日本代表より数段上。しかもモダン。両翼を広く開いた陣形に、プレスをかけ易いポジショニング。左右よりも上下で連動するプレー。玉際にも強い。オランダ2−0デンマークの結果はほぼ妥当と思いつつ、大きなため息ひとつ。


さあ、いよいよ日本vsカメルーン戦。両ウィングの位置に松井&大久保、中央に本田。試合前の発表時点では付け焼き刃とばかり思っていた前線の布陣だが、いざ始まってみると意外にもハマっている。中盤はあくまで下がり気味で、両サイドバックもむやみに上がらない。守備的な試合運びの意思統一がありあり。本田がワントップではなく下がり目のトップ下に位置し、松井と大久保が激しい上下動で相手を揺さぶる。前に出た時は阿部が全体を押し上げる。前半半ばでの松井の顔汗を見て、これは最後まで持たないと感じたが、主戦場である右サイドの攻防がこの試合の日本代表の生命線となったことを考えれば、それだけの効き目はあった。前半39分のゴールのシーンは、2つ前の遠藤から松井への速いパスが素晴らしかった。この場面で相手選手がパスコース近くにいた為、従来ならば遠藤は一旦長谷部へ預け、それから松井へ繋げていたと思う。遠藤が速く強いダイレクトのパスを松井に送ったのは、松井のポジショニングが相手DFから離れた良い位置にあったからだろう。試合の勘所に鋭い遠藤らしいひらめきあるプレーだった。松井の切り返しから左足でのクロスも、完全に相手守備陣の意表をつくものだった。対峙していたカメルーンDFは追っても来なかった。空気抵抗が少ないボールで、しかも高地での試合であるにもかかわらず、正確なクロスだった。ゴール前で大久保が相手DFを二人引き連れて左から斜めに入ってきたプレーは、セレッソ大阪での先輩森島寛晃そっくり!最高のタイミングでダミーとなった動きだった。そして本田の余裕を持ったフィニッシュ。考えられる限りで、ベストなゴールだった。問題はこの後。


後半はカメルーンが攻撃を強め、それを日本が潰しにかかった。打ち合いをせずに引いて守って、カウンターらしきものをポツリポツリ。守備も鮮やかにボールを奪うというよりは、身体を接触させてファウルをもぎ取る。ペナルティエリアではなんとかボールを外へ前へ蹴り出す。かなりつまらない。にもかかわらず、面白くなければないほど、日本の勝利が近づく。面白くなったら勝ち点3が逃げて行くことになるジレンマ。結果的に狙った通りの試合内容で勝った日本代表だが、次もこんな試合を見ることになるのだろうか。結果が全てで、負ければ内容なんか関係ないという向きの言い分もわかる。岡田ジャパンはこの大会で終るから、理想を捨ててゴール前に引きこもった見苦しいサッカーでリアリズムに徹しても、それはそれで良いではないかという考えだ。しかしこれが日本代表のサッカーの魅力だとは誰も思ってはいないだろう。世界と戦う時はただ守って、つまらないサッカーへ相手を引きずり込めばいいのだと、テレビ前のサッカー少年達が納得しているとは到底思えない。明らかに自分達のものではないサッカーをしていることにはならないのだろうか。それとも、私は多くを望み過ぎているのだろうか。


岡田監督としては最高の試合をして日本が勝ったものの、グループリーグ突破は今のところ20%ぐらいの可能性だと思う。相手のコンディションもあるが、オランダとデンマークはカメルーンのような隙やムラがあるとは思えない。2試合で勝ち点1をどう拾うか。オランダ戦での守備ではなく、攻撃に鍵があると思う。2005年のコンフェデレーションズ・カップで日本代表がブラジルをあと一歩のところまで追い込んだ時のように、攻撃的な相手に守備をさせる時間を増やすことができれば、一つや二つの波乱は、必ずある。
    

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by ekakimushi | 2010-06-18 07:54 | 絵のこと | Trackback | Comments(6)
Commented by ontwerp at 2010-06-18 09:09
おお、久々のサッカーネタ。W杯が始まったにもかかわらずサッカーネタがなかったのは個展前のバタバタが原因だったのですね。日本代表は面白くないけれど、セルジオ曰く「あれしかない勝ち方」で勝ったと思う。たしかにつまらんサッカーだけどね。もしオシムが監督してたらサッカーは面白いけど、負けてたかも知れん。岡ちゃんらしい引きこもりサッカーでした。闘莉王だって一度も上がってないんじゃない?昨日は韓国対アルゼンチンみてました、日本があのようにならねば良いなと思うのですが、無理かも知れんね。
Commented by MICHIO at 2010-06-18 10:19 x
日本代表に限らず、今回のワールドカップは、点の入らない、守備的な内容が多いですね。慎重に勝ち点を取りにいくという気持ちは誰もが同じなようです。しかし昨日のアルゼンチン対韓国は、メッシがきいていた。勝負では何が起こるかわからないと言うけれど、久々に実力差をいうのを見せつけられた気がします。さあ、今夜というか明日の早朝はイングランド戦だ。早めに寝ないと。
Commented by ekakimushi at 2010-06-18 13:44
<ontwerpさんへ>

毎日が混沌として、何が生活の中心なのかわからない状態です。このタイミングでW杯。もうカオスも絶頂という感じです(笑)。
評論家にしてみれば、ケチョンケチョンにやられると思っていた日本代表が勝ってしまったもんだから、気の利いたコメントも出しようがないのでしょう。私も同じです。まさか勝つとは思わなかった。まさかカメルーンがあんなにひどいとは思わなかった。初戦で日本代表の退席を予測していた者としては、うれしいやらショックやらです。しかしこれで3戦目まで楽しめる切符が手に入ったということで、前回よりも長居させてもらえそうですね。
Commented by ekakimushi at 2010-06-18 13:52
<MICHIOさんへ>

私にもそう映ります。加えてあのボール。サイドチェンジがラインオーバーしFKが宇宙遊泳をするのはもう見飽きました。あんなどうしようもない欠陥品を使うなんざ、愚の骨頂ですな。
夕べのアルゼンチンvs韓国の一戦は24年前を想い出しました。あの日も暑かったんだわ。両チームの実力差経験差は24年経っても大きくは縮まっていないように感じました。残酷なものです。
イングランドはどうなるか…なにかもうひとつシャキッとスイッチが入っていない気がする1戦目でした。のんびりしていたら危ないよォ〜(笑)。
Commented by 松田 at 2010-06-21 23:26 x
うへ。なんだか褒められてる気がして、うれしいです。うへへ。

この日の中川さんは、特に印象的でした。
なぜなら、サッカーのことで頭がいっぱいソワソワソワ、な感じがかわゆかったからです。
個展、もうすぐですね。期待大、楽しみです。
今度、私のブログにオンパレード展のこと、紹介させてくださーい!
Commented by ekakimushi at 2010-06-22 07:49
個展宣伝、どうぞよろしくお願いいたします!

先日はどうもでした。あの日は朝からなんとも落ち着きがなくて。ま、いつもそうなんですが(笑)。ぼちぼち焦りも出てきまして、ああ、個展だなあという気がしてきました。