522 <気分というのは>
散々自分の気分に引きずり回された若い頃と比べれば、今は某かのコントロールが備わっている気がしないでもありません。しかしそれは予測できる程度の浅い気分対策なのであって、先回りのできない混乱に陥った時には、難しい感情が渦を巻く事態に陥るわけです。そんな時気分は止めるのも聞かずに真っ先に暴れ出すのでしょう。我が儘で猪突猛進、本当に困った奴です。
暴れるだけでなく、意気消沈するのも気分の困ったところ。もっといえば、意欲が湧いて高揚するときも、気分は一人先走りして私を置いてゆくのです。ようやく追いついた頃には、なにかとても不毛な時間だけが体の回りにまとわりついていることがあったりして、嫌~な心持ちになります。こんな風に気分というじゃじゃ馬は自分であって自分でないところがあるので、本来は慎重に扱わねばならないのかもしれません。
気分、そいつに付き合うのは程々にした方がいい。所詮我勝手な不満だらけの学び知らずなのです。それでも気分が生きるエネルギーの存在を示しているからには、ずっと知らん顔はできません。さりとて始終相手もしていられません。厄介なものです、気分というのは。