574 <陳腐な楽観論>
そんなメディア(特に大手新聞)がこの1~2年、妙に褒めては持ち上げる記事を書くことがある。まるで安いJ-POPの歌詞のように「大丈夫。日本は素晴らしい国なんだから、きっと大丈夫。日本はずっと君のそばにいるよ。」という風に。散々景気の悪い言葉を羅列してきた某A新聞社などは最たるもので、読んでいるこちらは何やら気味が悪い。「持ち上げるだけ持ち上げて、いつこき下ろすんだろう?」などと勘ぐってしまう。どうしてこんな陳腐な楽観論が目につくようになったのだろうか。
そこに日本経済の先行きが本当に危ういことを逆説的に嗅ぎ取ってしまう。安倍政権のいう成長戦略に似合ったものになるとはとても思えない。地震津波原発被害での落ち込みが今も著しい国。デフレ続きで消費マインドも減退している国。革新的な開発力を持つ企業が、そう簡単に生まれるとは思えない国。実質的な対外競争力以前に為替や税制で近隣諸国に差をつけられる国。貴重な労働力であるべき20代~40代に雇用が不足している国。この15年間、技術力ときめ細やかなサービスに活路を見出そうとして、結局閉じてきた国。
それでも私たちはこの国で生活していかなければならない。消費税が上がる。TPP問題の決着如何では国内産業の空洞化が更に広がる可能性もある。借金は膨大だ。年金資金はおそらく不足してゆくだろう。少子高齢化で労働力不足の波にさらされている。安全な暮らしが脅かされる未来。こんな荒れ地のような顔をした未来に怯えながら、それでも私らは生きる喜びや楽しみを見つけて暮らしてゆこうとしている民だ。溢れる情報に感情を支配されていら立つのではなく、国の懸念事項を注視して考える。マスメディアに惑わされることなく、困難から目をそらさずに。
通貨の価値が下がり現物投資、金への換金の話があたかも当たり前のように熱弁する銀行マン・・・
私には雲の上の話に聞こえてきます。
経済に疎すぎるんでしょうかね・・・?
国内の基幹産業が為替・税制・円高で利益体質を失っている間に、海外大手に技術開発・営業力で大きく水をあけられてしまったのは、大部分国に責任があります。そこにメスが入らないと。