709 <紙>*
2つの会社と、今の絵描きという職と。
この3つには何の一貫性もないのですが、
共通項がたった一つだけあります。
それは「紙」です。
3つの職業は、全て紙に深く関わった業務なのです。
紙は私の生活の必需品であり、
私の生活をずっと支え続けてきたのです。
朝、机に向かって、白い紙に字や絵を描く。
まだステレオのスイッチは入れません。
ペンが紙の上を走る音を聞きたいから。
朝には朝の、夜には夜の響きがあって、これがまたいいのです。
紙に触れないで一日を過ごす人はいても、
紙に逢いたくない人はいないと思う。
紙はいつも誰かを待っている?
紙の、そんな健気な姿を、私は好きなのかもしれません。
紙に指を載せる。何かが始まるような気がする。
(*日記No.0012 2009年4月30日掲載のリメイクです。)