727 <卒業>

ある社会や集団、組織から展望を持って自発的に脱する際に「卒業」という言葉を用いる事があります。「卒業」が意味するところは何なのでしょうか。「ここで学べることはしっかり学んだ」「次のステップへ上がるには環境を変えることが必要だ」「個のベクトルに従って生きると、いつまでも同じ場所にはいられない」等々。私の解釈が的確かどうかは疑わしいのですが、今まで自分が所属したところから出てゆくにあたって、割と未練なく去る印象があります。将来に対する明るい見通しを胸の内に持っているからでしょう。「卒業」の先に待っているのは、全てが船出です。私が文字通り学校から「卒業」したときも、その先にあったのは進学であったり就職であったりしました。後ろを振り返る前に、未来に繋がる予感に惹かれたものです。


「卒業」は聞き様によれば、今までの活動を見限った、過去を上から見下ろしたような傲慢さも感じます。ここに自発的であることの真意、つまり不本意から本意への変身願望があるような気がします。冒険心に満ちた若者は機会を見つけては「卒業」してゆきます。「卒業」を繰り返すことで本当に化けてゆく人もいれば、「卒業」を繰り返すことで本意からどんどん遠ざかってゆく人もいるのでしょう。「卒業」の瞬間がわかるのは唯一本人だけで、実際に決定し自分を先へ押し出すのも、本人にのみ可能です。学校の「卒業」のような形式的規範に則った団体行動ではなく、人生で自己を真っ当に生かしたいと願う、健全な意思に基づくのだと考えます。だからでしょうか、人の老いは「卒業」しないことから始まるような気がしてなりません。


そういえば最近「卒業」していないな。あぶない、あぶない(笑)。

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by ekakimushi | 2014-07-24 18:55 | 絵のこと | Trackback | Comments(2)
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Commented by 花猫 at 2014-07-27 12:02 x
ひさしぶりに読みにやってまいりました。あちこち、読み応えのある記事で^^。ずっしりきます。卒業かー。この十数年はそうであったと思いたい(笑)。卒業をその前向きなものにするために、そこまでの過程で戦いはありました。結果的に意思疎通が叶わなかったこともあって、項垂れることもありました。でも、やれるだけのことはやったし、、、、苦い卒業もあるんだなって。でも、それでも、未来に繋がる確かな予感を感じていたわけで。ただ、まあ、自分て奴からの卒業なんてないんでしょうね。。
Commented by ekakimushi at 2014-07-27 15:32
貴方は間違いなく、この十年ほどの間で幾度かの「卒業」をしていると思います。自分に対しても他者に対しても実直な人なので、その分心通いの誤差に苦しむ事があったかもしれません。自分を甘やかさない貴方の姿を見ていて、凛々しいと感じることがあるんですよ。