750 <不良たちの季節>

私が通っていた中学校は、当時かなり荒れていました。特に中学1年生のときの3年生は、これでもかというぐらいにグレて暴れていました。不良学生を絵に描けと言われたら、すぐに当時の彼らが頭に浮かんできます。1973〜4年のことだから、もう40年も昔のことですが、あの集団の格好悪さだけはどうにも忘れられません(笑)。

入学してすぐに真っ赤な髪の毛のリーゼントをしたのや、とんでもないタックの入ったダボダボの学生ズボンを履いたのや、内側に龍の刺繍が縫ってある学ランを着たのやらが、大勢で廊下を歩いているのを見たときは「チンドン屋の人?」と思ったものです。もちろん口には出していませんよ(笑)。

煙草や酒は普通に学校内でやっていたし、授業中に勝手に教室から出て行ったり、窓ガラスは割り放題、便所のドアは壊れるまで蹴る、暴力・カツアゲ・無免許運転、まあ、不良の王道ですな。こういうのを群れてやるわけです。街中で見かけたときでも、似たような衣装のが、必ず5〜6人で固まっていました。

先生も大変だったと思います。あんなにやりたい放題だったら、授業どころではなかったでしょうに。生徒もそれなりに大変で、目立つ同級生は3日に一回ぐらいは殴られて、口から血を流していました。体が小さく、気もさして強くない私は、不良の標的以前の存在でした。それでも被害を受けないように逃げ回っていましたよ。

ところが一学期二学期と時間が経つうちに、だんだん不良の素行に慣れてきました。彼らの粗暴の扱いがわかってきて、「また同じことをやっている」という感覚になってきました。刺激だけならもっと強烈なものが、音楽や本や映画から得られる年頃です。ただ群れて暴れるだけの不良は、正直言って退屈でした。

先生が主導をしたのでしょうか、秋の文化祭で不良たちがギターとドラムを演奏し、3年生のひとクラスが合唱をすることになりました。練習のときからギターのチューニングがバラバラ、本番ではひどいことになりました。ドラムのリーゼントはリズムキープが全くできず、かなり無惨な結果に終わりました。

集団で群れることの中で自分の存在を知り、群れることでしか自分を表現しなかった者たちが、ステージの上でも群れて縮んでいる様を見て、馬鹿笑いした私たち。悪さばかりしている烏合の衆が、急作りで何をやったって駄目に決まっている。そんな悪意ある意識が客席で共有されたことを憶えています。

冬になって彼らの暴れっぷりはエスカレートしました。腕に自信のある2年生は業を煮やして、挑発しては一対一の殴り合いに誘い出して、一人ずつ謝罪させ群れを解体していました。そして卒業式が来て、不良たちは消えてゆきました。少年院へ送られたのもいると噂で聞きました。

あの一年で私には一つの価値観が根付きました。
決して群れてはいけない。
今も心の奥底に塊になってこびりついています。

f0201561_21353563.jpeg
添付されている画像の無断転用・使用を禁止いたします。





















[PR]
by ekakimushi | 2014-10-24 21:39 | 絵のこと | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://ekakimushi.exblog.jp/tb/23172682
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。