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752 <『そらから かいじゅうが ふってきた』(下)>

子どもにとって、大人とは、常に対比の存在です。体の小さいものと大きいものと。生まれてから時間があまり経っていないものと、それなりに世の中で生息してきたものと。わからないことが多いものと、わかった気になっていることが多いものと。

生き物としての子どもと大人とは、そんなに違わないと思いますが、現実には大きな隔たりがあります。社会を牛耳っているのはやはり大人であるし、経験則から照らし出されたモラルは一方的に、有無も言わせず、命令として、大人から子どもへ与えられます。(もっとも今の世の中、そういう大人ばかりとは言い切れないようですが…)

しかし人間は価値に相応して疑問を感じる生き物です。その点では子どもも大人も変わりはないでしょう。おかしいと感じれば、表情に言葉に行動に出ます。そうするうちに子どもは「都合」という異質な条件を大人から仕入れて咀嚼します。その先々には何があるのだろう。

子どもは、大人のほころびを敢えて見逃しているのではないでしょうか。大人のいい加減さやずるさは、世渡り術に成り変わって子どもに受け継がれ、素直さが退席した後には嘘と言い訳が取って代わる。子どもは知らず知らずのうちに、大人のほころびを了解し、受け入れ、肉体化してゆく生き物なのではないか。そんな気がずっとしていました。

被害者ばかりではない子ども、ある局面ではスルリと側を入れ替わってしまう「都合」に乗っかった子どもを描いてみたいと思っていました。それができたかどうか…。
『そらから かいじゅうが ふってきた』(作・中川洋典、文研出版)は、書店・ネットにて税込み¥1,404で絶賛発売中です!どうぞよろしくお願いいたします。

最後に今回も編集でお世話になったHさんに感謝します。ありがとうございました。3月にお会いした折に、私のよからぬ考えをHさんが一吹きで消し去って下さったことから、この本は生まれたとは言えませんか?ならばこの先も、どうぞ飄々とした風を送り続けて下さい。お互い身軽になって歩きたいものです。いっぱしの子どものように。

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by ekakimushi | 2014-10-30 11:39 | 絵のこと | Trackback | Comments(0)
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