790 <寒走…第35回篠山ABCマラソン>

昨日、第35回篠山ABCマラソンを走ってきました。8回目のフルマラソンですが、今まで最も寒かったレースでした。気温だけなら、3年前の篠山マラソンの方がもっと低かったはずですが、何しろ今回は朝家を出てるときから、帰りの電車に乗るまで、延々と雨、雨、雨。おまけにレース中に山から吹く強烈な寒風をまともに受けながら走っていたので、体が完全に凍ってしまいました。タイムは暫定で4時間27分8秒と奮わずでしたが、あの過酷な自然条件のなかを走って、風邪もひかず生きて帰ってこれただけでも、私としたら成功の部類かもしれません。

スタート前で気温6.1℃。雨が切れ間なく降る。薄着のランニングウエアでの待機時間が30分以上になり、スタート前ですっかり凍えてしまった。事前準備の怠り大ありだな。走り出すも、一から身体を温め直す時間が必要で、実際にレースらしき調子になったのは3kmを過ぎてから。17分20秒は少し遅いな。手足の指先が温もってきたのはいいが、さっそく尿意を感じる。出走前にしっかり行ったのになあ。我慢して走ると、気が漫ろになる性格なので、さっそく畑へ入って一回目の放出を。(本当は仮設トイレ以外では出してはいけないのですが。)

10km通過タイムもすれすれで1時間を切る程度。やっぱり冷え過ぎたかなあ。ここで二度目の野尿。どんどん時間をロスする。事前の体調としたら、今までのレースで一番よい準備が出来ていて、4時間切りに最も近いところにいたと思う。もし好天だったら、と思わないこともないが、生理現象や天候など、なかなかコントロールが難しいこともあるのがフルマラソンだ。14km付近で早くも3回目の放尿。あまりによく出るので、給水を押さえるべきかと悩む。体調には何も問題がない。痛い箇所もどこにもない。ああ、本当は調子がいいのだ!

18kmぐらいだったろうか。朝日放送の取材で、ゲストの芸能人ランナーが走っていて、彼が名物鍋をすする地点があった。そこで取材班を載せた軽トラックが道を塞ぐ形になり、一瞬ランナーが渋滞に。一般のランナーの走路を無視したやり方に腹が立った。本意でない自分の走りに、気が立っていたこともあっただろうが。20km手前の竹やぶで4回目の膀胱救済。これだけ立ち止まっていると、レース感がおかしくなってくる。ハーフ地点を迎えても、さしてしんどくないが、寒さは一段と厳しくなってきた。

25km付近から山間へ入ってゆくと、雨が強くなり、そこへこれぞ寒風という向かい風が容赦なく吹き付けてくる。手の指は寒さで感覚が無くなって、握ったまま関節が固まり開くこともできない。足の感覚も、膝あたりが徐々におかしくなってきた。26km付近の道ばたで、何やら大勢の人が取り囲んでいる。地面に横たわったランナーが人工呼吸の処方を受けていた。その肌の色はかなり青白い。おそらく低体温症だ。このきつい風と雨でエネルギー消費が補給を上回ったのではないか。間違いなくこれまで走った中で、最も過酷な条件のレースだ。

30kmの折り返しで、それまで向かい風だった風向きが変わると思っていたら、その後も向かい風。どういうことだろう?寒くて耳がちぎれそうだ。手の甲や、胸は感覚が消えてきた。32km。残り10kmで5回目のナニを。練習の時よりも27分も遅いのか。何が悔しいといって、自分と勝負できないことがたまらない。息が詰まるような苦しい状態で、もがいてもがいて峠を越す、あの生の喜びを味わう機会が、このレースでは完全に失われている。トレーニングがしっかりできていただけに、本当に悔しい。せめて残り10kmで、走り甲斐を何か捕まえたい!

36km。昨年はここでゲストの有森裕子さんが仁王立ちしていたが、今年は彼女はインフルエンザで欠席。全く今年の篠山はどうなっているんだか(苦笑)。上半身が疲れがいつもより少ないのは練習の成果か。下半身は寒さでいつもの熱疲労は少ないようだ。そのぶん、正面の膝〜太ももは凍え切って完全に固まっている。39kmからはさすがに厳しくなってきた。左の股間に電気が走り、膝が持ち上がらない。乳首も濡れたウエアーが擦れて、じんわり痛くなってきた。タイムもよくわからないまま、最後まで走ってなんとかゴール。その後が大変だった。

ゴールしても雨は降り続く。着替える場所まで、もう歩けない。仕方ないので雨の中、濡れたまま上からスウエットを着込むが、むちゃくちゃ気色悪い。暖かいはずもない。とにかく何か胃袋に入れねば風邪をひきそうだ。全身かじかんだまま、近くの洋食屋へよろけて入り、ハンバーグセットのライス大を。指が動かないので、スプーンを握って食べる。すぐに体内で燃えている。ああ、身体はこれを欲していたんだ…。濡れたままでは寒かろうと、JRの車椅子用トイレで素早く裸になって着替えて、ようやく生きた心地がしてきた。

今大会は8264人の参加で完走者は6467人。いつもよりも完走率が低いのでは?そのくらいの条件だったのでしょう。私も記録へのこだわりで練習をしてきましたが、昨日のレースに関しては、無事帰って来れてよかったと感じています。帰宅後湯船につかって、両乳首とその付近が真っ赤に擦れていて、思わず悲鳴を上げましたが(本当に痛い!…笑)。そして夜中にふと目が覚めたのです。暖かい布団の中で安堵のため息が出ました。こんなことは走り出して初めてです。人は寒いと不安になり、暖かくなると落ち着く生き物なのですね。学ぶことが多いわ、マラソンって…。

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この地味な光景。まさに篠山マラソンです。華やかなユニフォームの色も打ち消される、水墨画のような白黒の世界に染め抜かれた、世にも珍しいマラソンコースです。
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by ekakimushi | 2015-03-02 11:09 | スポルト日記 | Trackback | Comments(0)
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