人気ブログランキング | 話題のタグを見る

797 <ケチな時間の使い方>*

一日24時間の中で作業を上手く進めようと無い知恵をしぼっていますが、なかなか思うようにゆきません。こんなときにいつも思い出すのは、初めて個展をやった時のことです。私はまだ会社に勤めていたので、潤沢には時間がなかったはずなのですが、なぜか絵ばかりを描いていたような気がします。たぶん私は、今の時間の使い方が不本意なのでしょう。時間をケチって使っている気がして。


会社に勤めていた頃は、会社で思いついたアイデアばかりを絵にしていました。仕事の最中に、ポロッと浮かんだら、すぐにメモ帳に走り書きを残しておき、帰宅してからよくわかるように具体化して、という風に。制作時間に大きな制限があったせいで、悠長に構えていられず、次から次へと絵を吐き出していたものです。あれはあれで有意義でした。少なくとも、ケチな時間の使い方ではなかったです。


こんな週末もありました。金曜日の夜に仕事から帰ってきて、食事とお風呂を済ませてから、B5ぐらいの小さな絵を描き始めて、気がついたら日曜日の深夜になっていました。その間中、私はずっとB5の狭い世界の中で生活していた実感がありました。せっかくのお休みに、どこへもゆくことなく、小さな紙の上で絵の具を走らせて月曜日の朝を迎えたわけです。なんて豪勢な時間の使い方だろうと思います。


今とその頃とで、どちらがどうだと比べることもできないでしょうが、自分自身に対して、使った時間の印象を良くしたい気持ちは変わらないのではないでしょうか。休み明けの月曜日の朝、絵を描くだけ描いたと納得して通勤するのは、ちょっとした達成感がありました。回りの誰も知らない、私だけが知っている納得した時間だったことでしょう。よっしゃ!あの気持ちを、引っぱり戻そう!
    
(*日記No.0162 2010年3月24掲載のリメイクです。)

797 <ケチな時間の使い方>*_f0201561_1258086.jpg
            添付されている画像の無断転用・使用を禁止いたします。
by ekakimushi | 2015-03-20 13:01 | 絵のこと | Trackback | Comments(0)