806 <メール>*
絵を生業にしている人の中で、私のような手描き一本やりの人間は、パソコンで絵を描いている人以上に、パソコンと描く作業とが分け隔てられているので、絵描き机とパソコン前との間で、時々ノッキングのような状態を感じることがあります。資料探しでパソコンを使用することもありますし、連絡の面でメールに大きく依存しているので、一日のうち少なくとも1〜2時間はパソコンの前に座っています(それぐらいなら少ない方なんでしょうね)。その間は絵を描くという実務的な作業が出来辛いので、実作業に当てられる時間からは外さなくてはなりません。意識の中では、パソコンに触っている時間はものを作っていない時間なので、どこか後ろめたい気がしています。
私の場合、メールがないと困るのは特に明白で、ぶつくさ文句を言いながら大いに依存中です。程度を考えて頼りたいところですが、交信ツールとしての利便性を考えると、未だに携帯電話を持っていなくて済ませているのは、パソコンのメールのおかげでしょう。どうやら生活の中で、まだまだノッキングは続きそうです。(これでiPhoneでも持った日には、ノッキング程度では済まなさそうです!)利用する心と、ものを創る心との、バランスの問題なのでしょう。と思ったら、またメールが…今日も返信に追われるようです(苦笑)。
(*日記No.0185 2010年5月11掲載のリメイクです。)