809 <微妙な違い>

絵を描き、文章を綴り、絵本作りをしている常日頃、自分がこうだ!と思うところと、他の作家さんの作風・ポイントには、微妙に違うところがあります。絵、文、展開などで、共感ができる作品と、今ひとつ遠いと感じる作品とがあります。それは普通であって、おかしなことだとは全く思いません。ただ困るのは、私自身の偏った思い込みです。作品から勝手に作者の人柄や人格までを推測してしまうのです。こういう主題をこういう手法で仕上げる人は、きっとこんな感じの人に違いない、という風に。


少し前にある作家さんとお会いしました。作品はもう随分昔から知っていて、作者本人さんにはお会いしたことがなかったという、私によくあるパターンです。例に漏れず、最初は本人さんと作風とは、ほとんど一致しない印象でした。それが時間が経つほどに、徐々に某かが漏れ伝わってくるのです。作品の下敷きになっている、源流のようなものが理解できるようになると、私がその作家さんに対して抱いていたものは単なる投影像であって、作者そのものではなかったとわかるのです。そして勝手な思い込みをして申し訳ないことをしたなあと、内心謝るのです。


作品には、作者の人生観や生活観が、纏わり付いています。それを読み取ったと感じたところで、作者本人を全て理解したことにはならないと思う。作品と作者との間にある微妙な違い(違和感)に気付くとき、私たちは創作物が生まれ出てきた背景や由縁を見ているのだと考えます。感性を傾けるべきは、そこなのではないでしょうか。私のような早とちりが一番危なっかしい。自分でわかっているつもりが、最も誤解しやすい。そして、作品をなめ回すように味わってこそ、到達する領域というものがあるのだろうと思っています。


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by ekakimushi | 2015-05-12 13:45 | 絵のこと | Trackback | Comments(0)
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