885 <君の過去は正確か?>*

久しく音信が途絶えていた大学時代の友人からメールをもらい、彼とやりとりを再開したのは11年ほど前のこと。私がかつて話した内容を彼はよく憶えていて、「こんなことを言っていたなあ」というメールを受け取ってビックリしたことがあります。そんなことを話したなどとはすっかり忘れており、別な事実や経緯が私の中で生きていることになっていたからです。


それが私にとっては大切なことだったので、自分の中で「そうだったのか!知らなかった」で済ませられなかったのです。その時、実はこういうことが案外私には多いのではないかという気がしました。自分の記憶や行動に従って間違いないと思っていた過去のある出来事が、本当は全然捉えの違う出来事であったり、似ても似つかない道順を通っていたりする。


忘れていただけならまだかわいいのです。しっかり憶えていて、自分の過去の中で収まる確たる位置を占めていたことが、友人や知人の証言によると、かなり異なったポジションに置き換わっていて、自分の記憶と比べると辻褄が合わなくなってしまうのです。どちらが正しいという問題である前に、自分の記憶にある過去の信憑性が疑わしいことの方がより重大な問題なわけで…


こうなった原因は幾つか考えられます。物忘や勘違いが常態化していること(いや、そもそも最初から理解して憶える気がないのか?)。今までの人付き合いが一本のラインにならず、とぎれとぎれのブツ切れ状態だった為、その時々で相対する人に適当なことを言っては去っていた可能性があること(いや、可能性どころでなく、実際にやっていたな)。


自分が辿ってきた過去が、本当に自分の思っている通りのものだったのかどうか?11年と少し前から、私の中では疑わしものに成り下がってきました。近頃のウロ憶えにも似た、確信の持てないものに成り果てました。この先、自分ではないような知らない自分が、過去の想い出話しの中からひょっこり出てきたりしたら…意外とおもしろいか?まさか!それは困りますよ。


(*日記No.320 2011年2月10日掲載のリメイクです。)

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by ekakimushi | 2016-03-13 12:34 | 絵のこと | Trackback | Comments(0)
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