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1078 <谷町線ブルーズ>

大阪市やその近郊に住んでる人、もしくは以前住んでた人やったらともかく、そうでない人にとったらちょいと掴み難い話しかもしれまへんけど、しばしのお付き合いを。


近頃民営化したらしい旧大阪市営地下鉄の谷町線。前々から乗るたびに、その鄙びた昭和風情に魅力を感じてましたんや。他の路線と構内の様子がそないに違うわけでもないのに。それは谷町筋界隈の印象によるもんかもしれまへんな。御堂筋や四ツ橋筋みたいな、洗練された資本にいじられっぱなしっちゅうとこがない。れっきとしたオフィス街やのに、下町情緒全開の商店街がちゃんとあってやね、それがしのぎを削りもせんと、ぼや~っと立地してますのや。時間の流れが梅田やなんばあたりと、結構違うなあと思いますわ。


こないだ久しぶりに谷町線に乗って、谷六(駅名に関しても、谷町線はちょっと異彩を放っていると思います)で降りたんですわ。テクテク歩いて上田筋に出るまでの間、ほんまに楽しかった!昼間っから立ち飲み屋は大盛況で、昔の新世界界隈に仰山おったような赤ら顔のおっちゃんが、酔ったまま危なっかしい自転車で蛇行して消えていきよった。目障りなインバウンドもおらへん。小学生のガキんちょたちの元気のええ声があちこちで聞ける。立ち話をしとるおばはんまでレトロっぽい。ここて、時計が止まってんのとちゃうか。


谷町線は、御堂筋線の裏手っちゅう感覚があります。いつ乗っても満員の御堂筋線で、会社員がしきりに携帯をいじっとる。谷町線はそこまで焦ってない。ウイークデーの昼間でも、なんかホッとできる余裕がある。長い路線の一方は八尾へ、もう一方は門真へ繋がってる。たぶんこの二つの近郊ローカル都市ののんびりした時間の流れが、車内に余裕を呼ぶんですな。一回千林大宮へ行って買うた品物を車内に忘れたまま東梅田で降りて、「しもた〜っ!」となって終点の八尾南まで取りに行ったことがあります。どこまで連れて行かれるんかいな?思うぐらい遠かったですわ。


そんで無視でけへんのが谷町線の駅名ですわ。ようわからん駅の名前がホンマに多い。喜連瓜破、野江内代、関目高殿、太子橋今市なんかそうですわな。読み方も慣れんかったら難儀しまっせ。省略名で呼ばれる駅名も多いですな。天六、谷四、谷六、谷九、このへんは誰も駅名をまともには言わんでしょうな。それは昔からやね。昨今の省略流行りとは全く関係なしや。そのうち車内や駅構内のアナウンスでも、省略で呼ばれたりするんと…それはないか。


旧大阪市営地下鉄には(大阪メトロ?なんや、それは?)、大動脈の御堂筋線を筆頭に計9路線が運行してますけど、民営化されたされたことからもわかるように、全線が全て黒字というわけではないようです。谷町線がどういう具合なんか私は知りまへんけど、あの紫色の路線は大阪という街の身の丈が合ってる気がしますで。東京の大向こうを張った大都市大阪やのうて、日本のどこにでもある一地方都市としての大阪。マイペースで、今日が良かったらそんでええやんと言える街。谷町線にはそんなのどかな大阪が似合てますわ。


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by ekakimushi | 2018-04-28 00:01 | 私のお気に入り | Trackback | Comments(0)