人気ブログランキング |

<   2019年 07月 ( 4 )   > この月の画像一覧

大阪なんばにある絵本カフェholoholoさんが、この7月いっぱいでお店を閉じられます。絵本好きの人、喫茶好きの人、スウィーツ好きの人、ライブ好きの人、何よりholoholo好きの人にとってはなかなか堪える月末です。公式サイトにその旨を掲載されていますので、初めて知ったという人は確認してみてください。ガセネタではありませんから(笑)。

私も喪失感を感じます。初めてholoholoさんへ行ったのは2010年9月でした。2009年末に『おこのみやき』(文・ひぐちともこ 絵・中川洋典 解放出版社)という絵本が出版され、大阪市や吹田市の本屋さんで巡回形式の原画展がありました。その中の一つがholoholoさんでした。確か、出版社の編集者さんがお店の方と知り合いだったような、、、。まあ、そんな仕事絡みの?理由で訪れた場所だったのです。

お店で店長さんやスタッフの方々とお会いしたとき、このお店は続くと直感しました。店内での接客や調理といった働く姿が凛としていました。私が大っ嫌いな、客とのダラダラした馴れ合い営業が全くない店だったのです。そのことがとても素敵だった。原画展がきっかけだったとしても、遅かれ早かれ私はholoholoさんへ吸い寄せられていたと思います。マナーの行き届いた細やかな接客と美味しい食事は、とても魅力的でしたから。特にオムライスは一押し!私にとっては、絵本カフェというよりオムライスカフェだったかも(笑)。

holoholoさんで印象深いのは、何といってもワークショップをさせてもらったことです。(調べてみたら計6回も!)お店のスタッフの皆さんが肩のこらない雰囲気を作ってくださったおかげで、やる側にとっては居心地のいい作業場のノリで取り組めました。特に旗作りのイベントはその時期の自分の出版物販売と合わせて、隔年行事として私の中に組み込まれていました。出来上がった旗はお店の天井から吊り下げてもらい、2年間holoholoさんの店内を賑やかにざわつかせてくれました。いい想い出です。

個展をやれば足繁く通ってくださり、絵本が出れば買っていただく、ふらっとお店へ寄れば、最高の笑顔で迎えてもらえる、なんば方面に足を向けて寝れないぐらい私はholoholoさんのお世話になっていたのです。絵本カフェholoholoさんが11年間に渡って愛されてきた理由がそこにあります。効率優先・合理主義・拝金思想が跋扈する今の世の中で、作法や風紀の乱れに一切染まらず、人間的家族的な温もりのある実直な姿勢を貫いた。だから失うとわかって、こんなにありがたみを実感するのでしょう。このお店と出逢って、私は絵本を描いていて本当によかったなと思いました。


f0201561_20334164.jpg
























    
思い出したように掲載している<えかきむし蔵出し画像>。
今回の作品の中に「カッコーの巣の上で、チーフはいったいどこへ行った」というタイトルのものがあります。『カッコーの巣の上で』とは1975年のアメリカ映画で、本国でも日本でも大いに話題になりヒットしたので、ご存知の方も多いと思います。(作品説明は省きます。)ラストシーンで、ジャック・ニコルスンが演じるマクマーフィーを窒息死させたチーフ(ウィル・サンプソン)が水飲み台を持ち上げて窓にぶつけて壊し、精神病院から脱走してゆきます。若い時分は、このラストに、自由を求める人間の意志を見て頷いたものです。
数年前に久方ぶりにこの映画を鑑賞しました。そして思った。チーフはあの後、いったいどこへ行ったんだ?おそらく彼は、どこへも行っていないのではないかと。彼は逃げたのではなく、一回りして、戻ってきたのではないかと。
初見から40年ほど経って、映画を通して見える世の中が大きく変わってしまった。そんなことを感じた作品でした。

梅雨時の蔵出し画像41回目です。


「イソギンチャクたち」
f0201561_20051468.jpg


「グニャセン」
f0201561_20054306.jpg


「大山からの帰り道」
f0201561_20061890.jpg


「皺だらけの金網」
f0201561_20064653.jpg


「ブーチーのグラサン」
f0201561_20070497.jpg


「作品展2」
f0201561_20072237.jpg


「青い門」
f0201561_20075031.jpg


「書物で知り 行動で学ぶ」
f0201561_20083480.jpg


「フルチン(フリチン)」
f0201561_20091230.jpg


「掛け布団」
f0201561_20093155.jpg


「池には金魚が」
f0201561_20095206.jpg


「木漏れ日」
f0201561_20101679.jpg


「カッコーの巣の上で、チーフはいったいどこへ行った」
f0201561_20105062.jpg


「奥穂高の流れ星」


「お弁当箱散らかった」
添付されている画像の無断転用・使用を禁止いたします。






















何某かの締め切りがあると、それをクリアしないうちは大きな気晴らしは難しいです。かといって、締め切りや納期にだけ沿って生きていたら、自分の生活やリズムなんか簡単に狂ってしまう。どこかで効果的な息抜きを入れ、うまくやりくりして生きてゆかないと。

SNSを見ていると、なんとも羨ましい休日やOFF会などの気分展開模様を目にします。鮮やかな画像と弾ける文字で楽園気分が伝わります。私も一度くらい、その手の内容で、当ブログを更新してみたいものです。でもそんな機会もあるでなし、それでは上げようもないか(笑)。

先日のこと。私の住んでいる市が発行する広報誌の、リレーエッセーのコーナーに寄稿掲載をしてもらいました。名前や顔写真が載っているので、ローカルながら見た人からは反響があるに違いないと思っていました。これはこれでいい気分転換になるぞと決めつけていましたよ、私は。

その広報誌は6月末に各戸に配布されたのですが、びっくりするぐらいに反応がない。無風。初老のおっさんがたまたま広報誌に載った、そんなところでした。トホホ…。気分転換を期待していたのに、これではいつもとなんら変わらぬ同じ日常じゃないか。

しかし考えてみれば、その寄稿も締め切りを乗り越えて提出したものでした。文章を書き、タイトル文字を作り、誌面に載せる画像を用意して、自分で気晴らしの素を作って仕込んでいたわけです。それが蓋を開けてみれば空振りに終わったとあっては、虚しすぎる!せめてサイトぐらい見ておくれ(笑)。https://www.city.toyonaka.osaka.jp/joho/kouhou/kouhou/koho_pdf/07.files/13_P44_P45.pdf


f0201561_19371616.jpg
f0201561_19372946.jpg

貼り貼りして作ったタイトル文字。
夜中までかかって、気張って作ったのになあ。
ああ、やがて哀しき気晴らし工作💦




























大人になったら仕事に時間を費やして日々を送ることになります。仕事のことを書こうと思ったのは、先日会社勤めの人から仕事話を聞かされ、思うところがあったからです。「自分で問題解決をする気概が全くない人がいて…」とのこと。まあ、珍しい話じゃないですよね(笑)。そんな、いわゆる愚痴を聞いて、ふと私は20年ほど前の自分のことを思い出しました。私が会社勤めと絵本の仕事の二本立てをやっていた頃のことを。

初めての絵本の仕事は、言われたことだけをやっていたらいい、そんな仕事なわけがなかった!矢継ぎばやにアイデアを求められ、見えるようにして、きつい判断を下されました。絵本制作がやりたいことではあっても、そのやり方には不満がいっぱいあった。しかし私は従うしかなく、その枠内であってもわずかな創造性を駆使して、提案し協議しぶつかり、最終的に出版に漕ぎ着けたことを色濃く記憶しています。

同時期に会社でやっていた仕事では、先の話と全く同じような「気概のない人」と一緒に物事を進めていました。なぜ大人のやる気を起こすことにまで気を配って仕事をせねばならないのか、私は内心大いに怒り狂っていました。絵本の仕事で出版社から私に求められる姿勢と、会社で目の前にいる社員さんの労働姿勢とがあまりに乖離しすぎて、自分の中で分裂しそうでした。あれはしんどかった。しんどいながらに考えた。

仕事をするとき、大人は自分を使って、自分を開発し、自分を発見していかないと。気概とか意欲とか前向きとかいうものは、受け身のままでは見つけられない。生きがい?そんなの、到底無理!自分で考えず動かず、指示を待っているだけでは。そんな結論でした。間違っていなかったと思います。なぜなら絵を描き絵本を作ることの中で、受け身のままでできる仕事など何もなかったからです。生きがいを感じる仕事って、大抵そうじゃないでしょうか。

同じ仕事というワードに関して20年前に感じた大きな落差、狂うようなあの怒り。それをフリーで活動するようになってからは、感じることがなくなりました。自分の性に合っているのでしょう。一人であれこれやるのが。怒るのも喜ぶのも好きなだけ自由だし(笑)。少なくとも他人のやる気のなさは仕事の守備範囲外です。さて、件の気概のない社員さんですが、その人に何か掴んでもらうには、絵本を作る仕事をしてもらうのが一番いいのではないかと、私は話の相手にお勧めしました。


f0201561_20370973.jpeg